25 早朝での出来事 ページ26
25
次の日の朝、5時半頃。
寮に入る前は毎朝ジョギングしていたから、今日からまた再開しよう。
そう思って、玄関で準備運動をしていると、
「お、温水。」
轟くんがやって来た。
『おはよう、轟くんもジョギング？』
「おう、お前も頑張ってるんだな。」
相変わらず上から目線ですね。
『弱個性だから肉体強化しないといけないんですぅ〜〜。』
「一緒に走るか？」
『えっ、絶対置いてかれるじゃん！』
「そうか、やっぱりきちぃか。」
……負けず嫌いな私は、煽られるとムキになってしまいます。
『はぁ〜そんな事ないしっ！…チンたら走ってたら置いてくからね。』
「おう。」
そう強気に出たは良いものの。
『はぁっ、はぁっ……。』
轟くんのペースは私よりも速くて、
だんだんと距離が出来てしまった。
寮の入口が見えた、あと少しなら頑張れる。
『はっ、しんどっ……！』
寮の玄関に着いた途端、私は座り込んでしまった。
「お疲れ。」
『とっ、轟くん、全然疲れてないね……っ。』
轟くんは、私みたいに呼吸が荒れていない。
「まぁ慣れてるからな。」
『ぐっ、悔しい……っ。』
強がって、すぐに立ち上がろうとした時だった。
左足がピィーーーンっと、張ったのが分かる。
『いっ、たぁ〜〜〜〜〜っ！』
どうやら左足をつってしまったらしい。
その場に座り込み、足を折り曲げてひたすらに左足を擦る。
「おい、大丈夫か？」
『足つった……。いっ、痛くて動けないから、先、戻ってて…っ！』
正直めちゃめちゃ痛くて、何も考えられない。
私は顔を顰め、全身からブワッと汗が出るのを感じた。
「とにかく、あっちのソファまで行けるか？」
『だから、動けないんだって……っ！』
「分かった、じゃあこのまま運ぶぞ。」
轟くんは私を持ち上げて、横抱きにして歩き始めた。
姫抱きされてる、とか考える暇もなく、痛みに耐えるのに必死で、轟くんの首に腕を回し、彼にしがみついた。
歩く度に振動が響き、痛みが増す。
『んぅっ、もうちょっと、ゆっくり、動いて……っ！』
「…………おう。」
・
26 足をつったらこの世の終わり→←24 推しについてならいくらでも語れる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いるか | 作成日時：2020年6月17日 16時
