18 vsヒーロー ページ19
18
「俺はとりあえずここに隠れてるから、そこら辺にいろ。」
『はーい…。』
轟くんが建物の壁に隠れたので、私は彼と距離をとって、同じ壁際に身を潜めた。
「それじゃあAチーム、捜索開始！」
隠れんぼが始まる。
しばらくすると、誰かの声が聞こえた。
｢隠れてんのは分かってんだぞー！大人しく捕まれー！｣
｢瀬呂くん真面目にやりたまえ！｣
どうやら瀬呂くんと飯田くんのようだ。
いつでも反撃できる体制に入る。
息を潜めていたが、瀬呂くんに見つかってしまった。
｢おっ、温水見っけ！｣
一瞬で、テープでグルグル巻きにされる。
『ぐっ……！』
すかさず、テープを溶かす。
が、どうしよう。間に合わない……！
体が瀬呂くんの方に引っ張られた時だった。
自分のお腹に何かが触れ、
『ぐえっ！』
私の身体は強い力で後ろに引き寄せられた。
「しっかりしろよ。」
目の前には氷が広がっている。
『と、轟くん…。』
私は轟くんの腕で引き寄せられて、
彼の身体に体重を預けた状態だった。
整った顔が、近い。
男子に耐性のない私は、顔を少しだけ熱くしてしまった。
『ごめん、ありがとう…。』
「とりあえず逃げるぞ。」
そう言われて、強い力で体を反対向きにされ、
『わっ！』
肩に担がれた。
そのまま彼が氷の道を足元に作り、スケートのように進んでいく。
『轟くん、降ろしていいよ！てかこの体制頭に血が上って辛い……！』
「文句言うなよ、とにかく逃げてからだ。」
本当に何考えてるか分からない！
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いるか | 作成日時：2020年6月17日 16時
