43 ついに来た、NO.1の座 ページ44
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時は過ぎ11月。
私は部屋で、携帯とにらめっこをしていた。
動画サイトの生放送を真剣に見る。
《 神野以降初めてのビルボードチャート!!その意味の大きさは誰もが知るところであります!! 》
今回はなんと、ヒーローが発表のステージに登壇されるらしい。
固唾を飲んで、発表を見守る。
《 NO. 2！マイペースに！しかし猛々しく！破竹の勢いで今！2番手へ！ウイングヒーローホークス!! 》
『ホークスさぁぁん……！』
クールに決めてるホークスさん、素性を知ってるから少し面白い。
《 そして!!暫定の1位から今日改めて正真正銘のNO.1の座へ！》
……来る！
《 長かった!!フレイムヒーローエンデヴァー!! 》
『うわぁぁぁぁぁあエンデヴァーおめでとううううううううっ！！！！』
パァンっ！と、用意していたクラッカーを鳴らす。
今日も、推しが尊い。
しかもエンデヴァー、スーツ改良してるじゃん！甲冑めっちゃかっこいい！！！
推しを拝んでいると、トントンっと扉がノックされる音がした。
『ちょっと今忙しいっ…て、緑谷くんじゃん！！え、轟くんも？』
「お祝いしてるかなって思って。良かったら僕達と一緒に見ない？」
『全然いいけど！轟くんは大丈夫なんですか…？』
「……少し気になるから、見る。」
『そうなのね！じゃあどうぞどうぞ！！』
2人をガチ勢部屋へと招き入れる。
「えっ、何このホールケーキっ！？」
『やっぱりガチ勢としてお祝いしないといけないじゃん…？』
「……きちぃな。」
『ちょっと今日だけは許してよっ……てっ！』
《 過ぎたことを引きずってる場合ですか、やること変えなくていいんですか。》
動画音が、部屋に鳴り響く。
『ほ、ホークスさん…？』
会場は、何やら不穏な雰囲気だ。
《 なぁにを安パイ切ってンですか！もっとヒーローらしいこと言ってくださいよ。》
「なんか凄いことになってるね…。」
《 俺は以上です、さぁお次どうぞ。支持率俺以下、NO.1。》
『ホークスさん、どうしたの……？』
静かに、エンデヴァーの口が開くのを待つ。
《 若輩にこうも煽られた以上、多くは語らん。》
真っ直ぐな瞳をして、エンデヴァーが画面に映る。
《 俺を、見ていてくれ。 》
そう言ったあなたは、
今までに見た中で一番、
かっこよくて。
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作者名：いるか | 作成日時：2020年6月17日 16時
