41 2人で回る文化祭 ページ42
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『轟くん、たこ焼き買ってもいい？』
「おう、そばはねぇのか？」
『え、本当にそば愛なんだね…。多分屋台には出てないと思うよ。』
「そうか……。」
ぐっ。
子犬みたいにシュンとしてる轟くん、正直いってめっちゃ可愛い。頭わしゃわしゃしたくなる。
「500円でーす！」
『はーい、いただきます！』
買ったばかりのたこ焼きを頬張る。
『ん〜〜ホッカホカで美味しい！』
「良かったな。」
轟くんが、ふっと微笑んだ。
普段無表情しか見せないから、彼の笑った顔を見るのは慣れず、未だにドキッとしてしまう。
恥ずかしくて轟くんから目を逸らし、前を向く。
「俺にも一つくれるか？」
『いいよ、はいこれっ。』
そう言って、爪楊枝でたこ焼きを刺し、彼に渡そうとする。
彼の伸びてきた手は、爪楊枝を掴むのかと思いきや、
私の腕を掴んで、
そのまま、たこ焼きを口に入れた。
「ん、美味いな。」
要する、恋人がやる様な、「あ〜ん」である。
『〜〜〜〜っ！は、恥ずかしいんだけど！』
「……そうか？」
照れ隠しに、たこ焼きを一気に口に放り込む。
『というか轟くんさ、峰田くんに言ってた、こいつは俺のだって、どういう意味か分ってるの……？』
「そのままの意味だ。俺が伝える前に、他のやつのとこなんか、行くなよ。」
『伝える前にって！もうそれ言ってるようなもんじゃん……。ていうか、私が轟くんのこと、どう思ってるかって、考えたことないの？』
「…………無いな。」
いやなんでだよ。
『横暴！！……えっ！エンデヴァーの等身大パネルがある〜〜っ！！』
そこには、ビルボードチャートTOP10のヒーローたちの等身大パネルが、ずらりと並んでいた。
「ご自由に写真撮影どうぞ〜！」
『うっそ！！！と、轟くん、写真撮ってきてもいい……？』
すっごく、嫌そうな顔をしてる。
『うう、ダメですか……？』
「……俺も入る。」
意外な返答が帰ってきた。
『ええっ、轟くんがあのエンデヴァーと撮るの！？でも見てみたいからそうしよっ！すみません、写真お願いしてもいいですか？』
「いいですよ！」
エンデヴァーパネルを2人で挟むのかなと思ったら、
グイッと腕を引っ張られて、隣に立たされる。
『えっ、轟くんこれどういう……？』
「……親父の隣はだめだ。」
エンデヴァー、轟くん、私という謎の順で、写真を撮った。
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作者名：いるか | 作成日時：2020年6月17日 16時
