31.くるくるの時間 ページ31
回転は徐々に速くなっていき、先生の周りにつむじ風が巻き起こり始めた。
「"俺等には暗殺があるから、それでいいや"と考えて、勉強の目標を低くしている。それは……劣等感の原因から目を背けているだけです」
つむじ風だったそれはいつしか竜巻へと変わり、突風と砂嵐に私たちは思わず顔を覆う。
竜巻の中心で、殺せんせーは回転を続けたまま言った。
……もし先生がこの教室から逃げ去ったら、もし他の殺し屋が私たちよりも先に先生を殺したら、暗殺という拠り所を失った私たちには、E組の劣等感しか残らないのだ、と。
その言葉で私達はようやく気付く。
今はE組の担任をしている殺せんせーだけれど、その先生はその首に百億もの大金が懸けられた暗殺対象なのだ。
「そんな危うい君達に……先生から警告です」
──第二の刃を持たざる者は、暗殺者を名乗る資格なし！
校庭の中心で巻き起こる竜巻が消え、私は腕で覆っていた顔を恐る恐る上げる。
そして、その光景に言葉を失った。
あんなにも雑草が生い茂っていた校庭には一本の雑草もなく、綺麗に整備された地面が目の前に広がっていた。
先生曰く、自分は地球を消せる超生物だからこの一体を平らにするのはたやすい、と。
正直、ゾッとした。
もし、この人がこんなに良い人じゃなかったら、今頃私達はこの人に殺されているかもしれない、なんて悪い妄想が駆け巡る。
｢もしも君たちが自信を持てる第二の刃を示せなければ、相手に価する暗殺者はこの教室にはいないと見なし…校舎ごと平らにして先生は去ります｣
先生の様子に、渚くんが｢第二の刃…いつまでに？｣と尋ねた。
先生は｢決まっています。 明日です｣と言う。
｢明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい｣
先生はさも当然のようにあっけらかんと言い放った。
そして、
「自信をもってその刃を振ってきなさい。ミッションを成功させ、恥じることなく笑顔で胸を張るのです。自分達が暗殺者であり、E組であることに！」
と言われてしまったら頑張るしかないのだ。
ホントに私達の先生は皆をやる気にさせるのが上手いなぁ…。
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
