30.くるくるの時間 ページ30
時間というものはあっという間に流れるもので、テストの日は翌日に迫っていた。
「おーいA、大丈夫？」
『……』
ようやく待ち望んでいた休憩時間が訪れて自席でぐったり寝る体勢に入ると、頭上からカルマの声が降ってくる。
返事を返すのも億劫で、無言を貫く。
それだけ疲れたのだ。
…だって、いつもより授業内容が濃い…！！
平気平気、と顔を伏せたまま手を追い払うように振ると、カルマは呆れたように溜め息を漏らしながらも私の頭を撫でる。
ちなみに殺せんせーは私よりぐったりしていてうちわで顔をパタパタと扇いでいた。
何故か今日に限って、彼は生徒一人につき四人もの分身を作っていたのだ、そりゃあ相当疲れただろう。
まぁ、私も疲れたけど。
「そんなに疲れた？…まぁ、家に帰ってもみっちり勉強会はするけど」
『ひぇ』
カルマ様こわい…
会話が途切れてふと顔を上げると、殺せんせーが教室から出ていこうとする所だった。
この位置からだとよく見えないけれど、ちらりと見えた紫色は、殺せんせーが不正解や不許可を示す時の色だ。
「全員校庭へ出なさい。烏間先生とイリーナ先生も呼んでください」
不機嫌そうなその声色に、私とカルマは顔を見合わせて首を傾げる。
何かあったのだろうか。
先生が言ったままに校庭へと集まってみても、殺せんせーは何かを話そうとする気配を見せない。
殺せんせーは黙ったままなのに表情はいつもの笑顔のままで、それがやけに不気味で、何だか胸騒ぎがする。
「イリーナ先生。プロの殺し屋として伺いますが」
突然くるりと振り返った殺せんせーは、ビッチ先生に尋ねる。仕事をする時用意するプランは一つか、と。
「……いいえ。本命のプランなんて、思った通り行くことの方が少ないわ。不測の事態に備えて……予備のプランをより綿密に作っておくのが、暗殺の基本よ」
そう答える彼女の表情はプロの暗殺者の顔をしていた。
「では次に烏間先生。ナイフ術を生徒に教えるとき……重要なのは第一撃だけですか？」
次は烏間先生に問いかける殺せんせー。
烏間先生の返答は、第一撃も重要だが、そのあとの攻撃をいかに高精度で繰り出すかが勝敗を分ける、と言うもの。
殺せんせーはその言葉を聞いて草の生い茂った校庭の中央で、くるくると回りだした。
「自信を持てる次の手があるから、自信に満ちた暗殺者になれる。対して君たちはどうでしょう」
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
