19.兄妹の時間 ページ19
今日は土曜日。学校は休みだ。
『ん、ふ…ふぁぁ、おはよ、おにーちゃん』
「んー、はよ」
2人で寝るには少し狭いベッドに寝転んで隣でスマホゲームをしているカルマに抱き着く。
『今何時？』
「10時半」
スマホから目を離さずに答えるカルマにもっと力を込めて抱き着いた。
『おにーちゃん！』
私がカルマのことをお兄ちゃんと呼ぶ時は甘えたい時。
もちろんカルマも知っている。
「仕方ないなぁ、おいで」
スマホをぽふ、とベッドに投げ捨てて手を広げるカルマの胸に飛び込んだ。
(仕方ない、なんて言っておきながら本当は嬉しいの知ってるんだからね。)
『あー、落ち着くぅ…』
ぐりぐりとカルマの胸に頭を押し付けると頭の上からカルマの笑い声が聞こえる。
「俺も落ち着く、やっぱAのサイズが俺にジャストフィットするんだよね…」
『ふふ、そうであろう、そうであろう！我はカルマ
お兄ちゃん専用の兄をダメにする抱き枕なのだ！』
「ふは、何それ」
こうやって笑い合うこの時間が何よりも大好きだ。
そして、同時に焦れったくもある。
『おにーちゃん、大好きだよ』
「ん、俺も」
"兄を異性として意識してしまっている"からだ。
家族だから兄妹だから恋愛はしたらダメ？
そんなこと、分かってる。
兄妹だから、家族だから。
たとえ、血が繋がっていなくてもその言葉が私を縛り付ける。
カルマは私を妹としか見ていない。
それが当たり前で常識的な考え方であって、私が常識から外れた異端児だというのは理解している。
カルマの私に対する"好き"という言葉はあくまで"家族"として好きなのであって異性としてではない。
だから、私は
それだけで、これ以上にない程十分幸せだから。
「眠い？」
急に黙り込んだ私を心配するようにカルマが顔を覗き込む。
『うん、眠い。お兄ちゃん…2度寝しよ』
本当は眠くなんてないけれど、少しでもカルマとくっ付いていたくて嘘を付く。
「ホントAは甘えん坊だよね…、もちろんいいけど」
どこか呆れたような、嬉しそうな声でそう言ってカルマが優しく抱き締めながら頭を撫でるものだから、眠くなかったはずなのに急に睡魔が私を襲った。
『…おやすみ』
「ん、おやすみ」
明日も、明後日も、明明後日も、1年後も、その次の年も、ずっとカルマの隣にいるのがどうか私でありますように。
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
