1.少女Aの冒険書 上巻 ページ1
気付いたら、私は独りぼっちだった。
物心ついた時には、親という生き物は存在しなかった。
周りには私と同じ冷めきった瞳をした子供たちと、
私たちに興味を向けない必要最低限の与えられた仕事しかこなさない大人たち。
私は「孤児院」にいた。
気付いた時にはもうそこにいた。
でも、辛くはなかった。
別に、暴力を振るわれているわけではないし、食料だって与えられている。
ただ、孤児の私たちには決定的に愛が足りなかった。
愛を知らなかった。
ただただ、毎日同じ絵本を読み、
毎日生きる為だけにご飯を食べ、睡眠をとった。
私はこの暗く重苦しい孤児院以外の世界を
知らなかったからそれが当たり前だと思っていた。
でも、違った。
突然だった。
「Aちゃんに会いたいって言う人がいるのよ」
この孤児院の職員が言った。
『え？』
職員を見上げる。
見覚えのある、顔だなと思った。
名前は知らなかった。
職員の大人たちが私たちに興味がないのと同じように
私も興味がなかったから名前を覚えようとも思わなかった。
「会って、みない？」
少し困ったように笑って言う職員を見て、私が会いたくないって
ぐずるんじゃないかと心配しているんだろうなと察しが付いた。
『…会ってみます』
別にここ(孤児院)に執着はなかったから、
別に会っても会わなくてもどっちでもよかった。
ただ、少しだけ私に会いたいといった人に興味が湧いた、
それだけだった。
裸足のまま廊下を歩く。
真夏の今の季節には少しひんやりと冷えた床が
直に皮膚に伝わって心地良かった。
職員の後を追って入った職員室には、見慣れない赤髪の大人が2人。
「あら！あなたがAちゃんよね！
初めまして。赤羽と言います。
もし、Aちゃんさえ良かったら
私たちAちゃんの親になりたいと思ってここに来たの」
そういって笑う人は今まで見てきた大人の中で一番きれいな人だと思った。
その女の人の後ろに立って優しく微笑んでいる男の人は、きっとこの女の人の旦那さんだろう。
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
