享年28歳未婚ハイスペック社会人（女）の生まれ変わった先が名探偵コナンの世界だったので前世からの親友ととりあえずがんばる［1］

10.そんなことよりプリンが美味。 ページ10

ふむ、と少し考える素振りを見せる父。


勝臣「にしても、そうか。二人は強くなりたいんだな。」

A「うん。何か習えたりしないかな？」

一乃「出来れば、生活圏内で通える範囲の距離にある教室とかが良いんだけど…。」


それを聞いた父はニヤリと笑って「よし。」と言い、それに続けて

勝臣「俺が教えよう。」

と言った。


A「…ぅえ？！お父さんが？！！」

一乃「うそ、勝っちゃん戦えるの？！」

太陽「おとーさん、つよい？」

一度も父のそんな姿を見たことがなかった私達は目を見開かせて驚く。なんと、タイちゃんまで口をポカンと開けている始末だ。

勝臣「昔柔道をやっていたんだ。強いかは分からないけど教えるくらいなら問題無いだろう。」

A「へえ、柔道か…。お父さん柔道って感じしない…。」

一乃「強いて言うなら弓道って感じ？」

A「それはわかる。」

そんなに意外かと父は笑う。

物腰も表情も柔らかい方だし、何より、こう、シュッとしてるというか…。
正直言って、柔道をしてる人にしてはヒョロっとして見える。
特別痩せてるわけじゃないんだけど、スタイル良いからさ。

ただ、いつも余裕のある表情をしているし、姿勢の良さも含めて武道を嗜(たしな)んでいたのは合点がいく。
ちゃんと見てみれば、成程。強い人間の佇(たたず)まいな気もしてくる。

勝臣「俺だけじゃない。宗太郎さん(一乃の父)も柔道経験者だ。」

一乃「ああ、うん。お父さんはそんな感じするかも。」

A「宗ちゃんはなんか、クマっぽいもんね…。」

豪快な笑い方に、顔も円(つぶら)な瞳がクマっぽさを感じさせて、ガタイの良さの割に可愛らしい印象を受ける宗ちゃん。
あとハチミツが好きらしいのでこれはもう狙ってるとしか思えない。


勝臣「丁度明日は休みを取れるんだが、どうする？」

そう聞く父だったが、そんなの決まっている。

一度、イチと目を合わせて頷き合う。

A・一乃「「やる！」」

勢い良く身を乗り出した私達を見て父が満足そうに眉をあげながら「そうか、楽しみだな。」と言った。

なんだか楽しそうな雰囲気にタイちゃんも、「たいようもするー！」と声を上げて笑っていた。


勝臣「じゃあ、宗太郎さんにも話を通しておくよ。」

そろそろ行くよ、と立ち上がり仕事に戻って行った父を見送る。


閉まる玄関のドアに手を振りながら私達は思った。



＿＿よし。文武両道、武の方もなんとかなりそう。

11.組手ではお父さんが勝ってた。勝っちゃんが勝っちゃったん。なんつって！おもんな。→←9.ブラコンとかショタコンじゃなくて子供好きって言ってくれる？

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