享年28歳未婚ハイスペック社会人（女）の生まれ変わった先が名探偵コナンの世界だったので前世からの親友ととりあえずがんばる［1］

47.どちらかと言うとアガサ・クリスティ派だが内緒。 ページ47

新一「あ、それ面白いヤツだ。」

A「ぎゃ！」

授業の合間の休み時間。安楽椅子探偵モノのミステリー小説を読んでいると、視界にぬん、と入ってきた整った顔に肩を跳ねさせる。
その様子を見てクスクスとおかしそうに笑ったのは、あの工藤新一であった。

新一「名前、白石…だったよな。ミステリー好きなのか？」

A「うん、好きだよ。新一くんはホームズと蘭ちゃんが好きなんだよね？」

新一「ああ、そうだよ。…ってはあ？！なんで蘭？！」

A「昨日色々聞いたんだよねぇ〜！」

ムフフとニヤけて揶揄うと、顔を赤らめて「園子から聞いたのか…！」と恨めしそうにする新一くん。
さっすが名探偵、ご名答。

当の園子ちゃんは蘭ちゃんとイチと楽しくお喋り中で新一くんの怒りの視線には気付いてない様子である。

A「いいじゃんいいじゃん、末長くお幸せにね〜？」

新一「そんなんじゃねーよ！」

A「照れんなって少年！」

青春だなあと思いつつ、いじるのもこの辺で話題を戻す。

A「新一くんは、探偵になりたいんだったよね？」

新一「おう！ホームズみたいな名探偵を目指してるんだ！けどやっぱまだまだ追いつけなくてさぁ。ホームズはすげえんだよなあ。何がすごいって例えば、」

A「へえ、平成のシャーロック・ホームズとしての新一くんの活躍、楽しみにしてるよ。」

長くなりそうだったので被せて静止をかける。
授業開始のチャイムが鳴り、新一くんは名残惜しそうに自席に戻って行った。


その後、彼は休み時間の度にホームズ愛を語りにきた。
十分承知してますからと最初は避けようとしていたものの、いつの間にやら私も一緒になって語り合っていた。

途中からはイチも交えてミステリ談義を交わす。


一乃「新一くんのお父さんがあの工藤優作なんて、すごいよね。」

A「今度サイン貰いに行っていい？！あ、握手も！！」

一乃「私、藤峰有希子さんにも会いたい！」

新一「いいよ、父さんと母さんに言っとく。別にそんな大したもんじゃないけどさ。」

一乃・A「「やったー！」」


闇の男爵(ナイトバロン)シリーズが好きだと言えば、作者が父親だとカミングアウトを受けたので(知ってたけど)会う約束を取り付けて貰う。

折角この世界にトリップしてきたのでどうせならと工藤優作の作品を読んだら、とても面白くて私もイチもすっかりファンになってしまったのだ。会えるの嬉しい。

48.すごい…！！（すごい）→←46. 新しく配布された教科書は重かったので置き勉して帰りました。

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