享年28歳未婚ハイスペック社会人（女）の生まれ変わった先が名探偵コナンの世界だったので前世からの親友ととりあえずがんばる［1］

36.飲み終えたからってポイ捨てはいかんのだぞ！ ページ36

グッと伸びをする。身体の力を一気に抜くと同時に出たのは大きなあくび。

A「ふぁ〜眠い〜！」

一乃「朝からずっと言ってるじゃん、何回目？」

A「そんなの数えてないよ〜。12回くらい？」

一乃「残念22回でした。」

A「なんで数えてんの…？」

昨日夜更かしをしたせいで、今日は朝から眠気と格闘しながら授業を受け、放課後を迎えて絶賛下校中。

一乃「あ、空き缶。」

イチの指が指した先で、車道と歩道の間に缶が落ちていた。

拾っておくか、とそれに近寄る。

A「ん？前もなんか、こんなことあったっけ？」

一乃「あー、うん。前世最後の日だったね。」

A「うわぁそうだった…笑えない…。」

痛みも覚えてないままに転生したので忘れていたが、私達一回死んだんだった。嫌な思い出。

少し強い風に吹かれて遠ざかる空き缶を追い、角を曲がる。

A「ゴミ箱ってこの近くにあった…っけ…」

缶が転がった道の路肩に停まっている車に目を見張った。

一乃「これって、"あの"車だよね…。」

ツヤのある黒い車体に、丸型のライト。曲線的な印象の自動車。ナンバーもあの人の物と一致。

A「ポルシェ356A…。」


間違いない、これはジンの愛車だ。

中を少し覗くと持ち主は不在なよう。

ドキドキと鳴る心臓を抑えながら吸い込まれるように近付く。
微かにタバコの匂いがする気がする。これは流石に気のせいです。


A「ていうか！356シリーズ初めて見た…！カッコいい〜…！！」

滅多にお目にかかることの出来ない車種に興奮が隠しきれずついジロジロと観察してしまう。ついでに空き缶も拾っといた。

一乃「Aってそんなに車好きだったっけ？」

A「まあ…人並みには？」

一乃「大抵の人間はそんな興味ないと思うんだけど。」

コナン繋がりで得た浅い知識くらいしかないけれど、ミーハーなので珍しい車に会えると嬉しいんだよ！


A「あ、でもあんまゆっくりしてると来ちゃうよね…危ないからさっさと帰ろう。」

一乃「大丈夫でしょ、そんなタイミング良く来ないって！」

A「フラグを立てるのはやめるんだ！」

この流れはまずいヤツ…！即座に撤退すべきだと引き返そうとした瞬間、後ろから「おい」と声を掛けられる。

地を這うような冷たい声にゆっくり振り返ると、射抜くような視線を銀色の長髪から覗かせているジンニキが立っていらっしゃった。

ジン「何の用だ。」


フラグ回収はっや…。

37.一方的に喋り続けてたら後半もう緊張無くなってたよ。→←35.イチのブーツの方が履き辛そうじゃないかい…？

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