享年28歳未婚ハイスペック社会人（女）の生まれ変わった先が名探偵コナンの世界だったので前世からの親友ととりあえずがんばる［1］

32.あっという間に過ぎ去る時間。タイちゃんはバスケを始めたらしいよ。 ページ32

その後、特筆することは何もないまま過ごし、私達は早くも中学校に入学した。

かの有名な京極真さんと同じ中学だったことに最近気付いたのだが、クラスも学年も違うし今のところ話したことはない。
この間、京極さんは空手の大会で優勝したようで男女問わず凄い人気だそう。

タイちゃんももう小学5年生である。大きくなったね〜！！


そして本日、日曜日。イチと自宅で勉強会の予定。
友達と遊びに行くとかでタイちゃんは参加できないらしい。お姉ちゃん寂しい。

そろそろイチがくる頃だからと両親の部屋から拝借した本を返しに2階へ上がる。
部屋に入り、本棚の元あった場所に本を戻すと、ふとデスクが目に入る。

その上には無地の封筒と、何かの書類が置きっぱなしにしてある。父のものだろう。


私は父の職業を知らない。

何度か尋ねてはみたが毎度違う回答が返ってきたし、到底それをしてるようには思えなかった。
「お花屋さんだよ〜」とか「クレープ屋さんだよ〜」とか。乙女かな？

母に聞いても、よく分かんないけど色々頑張ってるんじゃない？としか言ってなかった。
よく分かんないって…それで良いのか夫婦。

娘だからと言って親の仕事を知る必要はないからそんな対応でも別に気にして無かったんだけど、目の前に手がかりがあるのなら見たくなるのが私の性(さが)ってもんなのよ。


悪いとは思いつつ、手に取ってみると人事記録や仕事上での報告書のような内容のもの。特に変わったところはない。

見た限り普通の会社員っぽい。言ってくれても良さそうなものだが何で隠してたんだろう。
仕事出来そうな雰囲気なだけに、平社員から抜け出せなくてちょっと恥ずかしかったとか？


封筒の中も探ろうとしたら紙がパラ、と落ちて、それを拾い上げる。
裏返すと、ある人物の写真だった。


A「え？これって…。」


一乃「おーい！A〜？どこいるの〜！」

イチの声が聞こえて急いで書類を封筒に戻す。

部屋のドアを開ければ廊下にイチの姿。

一乃「あ！いた！部屋にも居ないからビックリしたよ。トイレ行ってたわけじゃないんだね。」

A「トイレだと思うなら静かに待っててよ！私達レディなんけど？！」

一乃「あはは、ごめんごめん。ここ春ちゃんたちの部屋だよね、何してたの？」

A「読んでた本戻しにきてた！」

一乃「ふーん、そっか。」


じゃ、勉強するか〜と私の部屋へ向かった。

33.なんだかちょっと不穏な雰囲気…？→←31.子供みたいにっていうか、子供なんですけどね！

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