享年28歳未婚ハイスペック社会人（女）の生まれ変わった先が名探偵コナンの世界だったので前世からの親友ととりあえずがんばる［1］

15.どっちが年上なんだか分からないわねとイチ母に笑われた。 ページ15

A「ここだ…！」

手元の絵と、目の前の風景を見比べて間違いではない事を確信する。

一乃「やっと…！全員分の現場が揃ったー！！」

達成感で涙が滲(にじ)んだ目を押さえる。
そばに停めた自転車の後輪が風でカラカラと回っていた。

＿＿＿＿


小学校に入学して少しが経つ。とうとう少年探偵団と同い年だよ私達…！

入学祝いに自転車を買ってもらい、我儘(わがまま)を言って父のお下がりのノートパソコンを手に入れた。


私の描いた風景画と記憶を元に、ストリートビューや航空写真などで都内から候補を絞り、自転車で現地へ赴(おもむ)いて確かめる。

そして、最後の一人の死に場所(言い方が悪い)を訪れたのが昨日の放課後のこと。
毎日自転車のペダルを漕ぎ続け、漸(ようや)くここまで辿り着いた。

入学前は自転車が無かったから、徒歩で近場を探していたが途方もなさすぎて何度も心が折れかけた。
けれど、その度にキャラ達が亡くなるシーンを思い出してこのままじゃいかんと心を持ち直した。

特に、伊達さんは背景の描写が殆(ほとん)ど無かったから場所を割り出すのに苦労した。


A「とんだ聖地巡礼になったね…。」

一乃「ほんとにね。」

今はイチの家で学校の宿題をしながら連日の疲れを休めている。
さんすうたのしいな(脳死)

A「いや〜、もう一生分チャリ漕いだよね〜。」

一乃「はは、このまま競輪選手になれそうだわ。」

お陰様で体力もバッチリついたのは喜ばしい。


太陽「…ふたり、毎日どこ行ってるの？」

A・一乃「「え"」」

大人しく本を読んでいたタイちゃんがジト…とこちらを見ながら聞いてきた。

一乃「どこって言われても…。」

A「聖地としか…？」

太陽「聖地って、神社巡りなんかしてるようには見えないよ。」

あははと誤魔化せばタイちゃんは不機嫌そうな目を更に細めて続ける。

太陽「ちゃんと行き先言って出かけないとお母さん達も心配するでしょ。」

一乃「はい…仰る通りです…。」

太陽「事故とか犯罪に巻き込まれたらどうするの。」

A「はい…ごもっともです…。」

太陽「ぼくも、Aとイチが居ないとつまんないし…。」

真っ当なお説教に2人でしゅんと反省すると突然現れたデレ。
理解した瞬間「「んぎゃわい"い"！！！」」と2人で限界オタク化してしまった。

そんな私達に引き攣った愛想笑いを見せるタイちゃん。



5歳児にそんな顔させてすみませんでした。

16.遠足→←14.同人イベント参加した時二人でコスプレしたね、懐かしい。

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