享年28歳未婚ハイスペック社会人（女）の生まれ変わった先が名探偵コナンの世界だったので前世からの親友ととりあえずがんばる［1］

45.前世での制服は中高共にセーラーでした。 ページ45

4月。

真新しいブレザーに袖を通す。

ネクタイの結び方がわからないと泣きついたらタイちゃんが教えてくれた。全く、頼れる弟君である。あんなに小さかった彼ももう、中学2年生。

予定より遅く起きてしまって掻き込んだ朝ご飯で軽く胃をもたれさせながら行って来ますと声を張る。ちなみに朝はパン派。

玄関先には既にイチが待っていた。

一乃「おはようA。お、意外と制服似合ってるじゃん。」

A「意外って何、意外って。」

一乃「あはは、冗談よ。」

A「もー！イチも似合ってるよ。」

一乃「でしょ〜？ありがと！」

などと冗談を交えながら慣れない通学路を2人で歩く。

私達は今日から晴れて高校生。

向かう先はもちろん、帝丹高校。

一乃「ここ、結構校舎大きいよね。」

A「だね。…っはー！緊張するー！」

一乃「とか言いつつ、緊張より楽しみの方が勝ってそうだね？」

A「ふふ、勿論！よし、じゃあそろそろ行こうか。」

笑顔で新入生を歓迎する教師達に見守られながら、校門をくぐった。


＿＿＿

新入生代表の挨拶は工藤新一が担当していた。
私の前に座っていた女の子達が「きゃー！イケメン！」と小声ではしゃいでいるのを見て、お若いなあ、などとなんともお若くない感想を抱きながら彼の勇姿を見届けた。

なんといっても主人公。オーラが違ったね。


入学式を終えてザワザワとしている教室内、担任の登場を座して待つ。
席は出席番号順の為、イチとは離れてしまったがクラスは同じだった。うぇーい。主人公やヒロイン達とも一緒。うぇーい。

三列目の最前席という学生から最も嫌悪される、教師と1番距離が近い特等席を獲得した私はぼーっと黒板を眺めていると、肩口をトンと叩かれた。

園子「私鈴木園子っていうの！名前教えて！」

振り返ると後ろの席の園子お嬢様が笑顔で自己紹介をしてくださった。

A「あ、うん、白石Aと申します！気軽にAとお呼びください！よろしくお願い致します！」

早々に陽キャムーブをかまされ圧倒されつつ名乗れば、お堅いわね〜と笑われた。

園子「よろしくねA。私のことも園子って呼んで！」

園子ちゃんと挨拶を終えた後は、式の時にイケメンを見つけたとか、校長先生の話が長かったとか、この席の周り男子多いねとか彼女との他愛のない話で時間を潰した。

元アラサー、JKのお友達が出来ました。いやぁ、若いって素晴らしい。

46. 新しく配布された教科書は重かったので置き勉して帰りました。→←44.コンビニのプリン、税込159円。

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