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「……妖怪退治をすることになったの」
「え」
三人は驚いたような顔になる。震える手を隠すように後ろで組んだ。
「……なんて妖怪？」
「……え？」
脈絡の無い質問をされ伏せていた顔を思わず上げてしまう。それを知ってどうするんだろうか。
「教えてくれん？」
ジッと顔を見つめられ、その必死さに首を縦に振るしかなかった。三人の顔色を窺いながら口を開く。
「……か、蟹坊主」
「……！」
三人の表情がパッと変わった。それと同時にチャイムが鳴る。慌てて私たちは席に着いた。無駄に長い担任の話を聞き流す。ホームルームが長いのはこの先生の特徴だ。
いつもなら集まるはずが三人は自分の席で何かを考え込んでいて、話しかけられなかった。そんなこんなで時間が経っていく。あっという間に昼休みだ。昼休みはちゃんといつメンで集まり、机を囲む。三人は相変わらず暗い顔をしていた。
「A、今日暇？」
「……たらちゃん、私今日妖怪退治があるんだけど」
「あ、そうだった」
忘れてた、というような顔をする。……いくら時間が経ったとは言え今日の朝に話した内容なんだけど。
その時、げんちゃんがハッと思いついたように顔を上げ、私に向き直る。どうしたんだろう。嫌な考えが頭によぎる。
「そーいや、Aって初めてじゃね？妖怪退治」
げんちゃんが意を決したように言った言葉は私の予想から大きく外れ、思わずガクッとなる。
「そうだけど」
軽く肯定をすればあろさんが眉間に皺を寄せて
「えー、大丈夫？Aに出来る？」
と言った。余計なお世話、と言えば、まあAなら平気か、と簡単に見捨てられた。いや、悲しいんだけど。
「まあとにかく、頑張ってね。Aはこの村で唯一妖怪に対抗出来るんだし」
「……そーね」
私は自分の両手を広げ、眺める。この手で、私は簡単に妖怪を手にかけることが出来るんだ。
「にしても、この辺で蟹坊主ってどうしてだろう」
「運営町じゃない？あそこならどんな妖怪が居てもおかしくないし……例えば、天邪鬼とか」
「それが一番最初に出てくるのが不思議なんだけど」
「……だって思い浮かんだんだもん」
そんなふうに駄べりながら昼食をとっていた。ふと、あることが頭に過ぎる。
「……私って結界とか壊せるのかな」
「は？急にどうしたの」
「いや、なんでもない」
食事の手を止め、顎に手を当てて考える。結界を壊すことが出来ればかねごんを外に出すことも出来るし、あの人だって。
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ペリドット(プロフ) - すいみん。さん» わー！ありがとうございます！フフッ、ラストまでよろしくお願いします。応援ありがとうございます！ (2021年9月19日 1時) (
レス) id: 3df4378748 (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - もうべちょべちょに泣きました…。めちゃくちゃ好きです、妖パロ…いいです…。とても…。次回の更新も楽しみにしております、無理せず頑張ってください! (2021年9月19日 1時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ペリドット(プロフ) - ズイさん» 誤字指摘ありがとうございます……黒髪黒目ですねぇ…… (2021年7月28日 16時) (レス) id: 3df4378748 (このIDを非表示/違反報告)
ズイ - 夢主のプロフィールで‘‘黒髪黒髪``と、2回繰り返されているんですけどあっているのでしょうか？ (2021年7月21日 14時) (レス) id: a75775cd99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペリドット | 作成日時：2021年5月6日 19時
