お兄さんと冬 ページ7
｢ほら、裏道、お買い物行くよー｣
この言葉、もう５回は言ってる。
でも裏道はヒーターとこたつから離れない。
そんなに寒がりじゃないよね？
｢ねぇー行こうよ？？｣
「寒いから嫌」
意地でも行ってくれないつもりかな？
しょうがないなぁ……
『じゃあ、こうしよ、裏道』
なぁに、とだるそうに裏道は私を見て言った。
｢一緒に行ってくれたら、ちゅーしてあげる｣
ちゅーという言葉を聞くなりこたつからバッと出てコートを羽織る。
この差はいったい何でしょう
「さぁ行こうかA」
｢はいはい、｣
私は呆れたように笑う。
裏道にこの言葉は会心の一撃だね！
いざ外に出てみると、やっぱり寒い。
ホッカイロ持ってこればよかったかな。
手を合わせて息をかける、白い息が寒さを表すよね……
「こうしたら温かいだろ？」
裏道のコートのポッケの中に、手を突っ込まれる
カイロ…仕込んであったんだ。
「ね、温かいでしょ」
｢うん、ありがと｣
ポッケの中で手を繋いだままスーパーに到着。
お店の中では流石に、って思って手を離そうとした時、普通に恋人繋ぎに変わった。
「これなら良いよね？」
不覚にもドキってする。
裏道のくせに…！
｢はぁ〜っ、ただいまぁ｣
外寒すぎるよ、雪降ったよ、地獄だったよ。
でも、手は裏道のおかげてあったかかったり。
さて………
｢裏道、目ぇとじて｣
「お、はいはい」
その、期待してますアピール辞めてください…
整った顔をじっと見ながら、触れるだけのキスをする。
｢はい、おしま…んっ、｣
おしまいって言いたかったのに、裏道が私の頭を抑えて、離れられない。
｢ちょ、うら…みち。｣
「っは、ごちそーさん」
アハハと笑って買ってきた食材などを出し始めた。
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作者名：天狐姫 | 作成日時：2017年6月24日 12時
