【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ39)

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139話ページ39

「やっぱり力ずくで……」
と、再度シンドバッドの胸板を押すが、微塵も動かない。

あー、くそ。
苛つき始めた思考を一旦落ちつかせ、頭を回す。

「……あ」

そういえば、この国にはアイツが居たんだった。
何で今まで思い付かなかったんだろう、私としたことが。

と、数分前の私を恨みながらも、助けを求める。

物凄く耳のいいアイツに。

「マスルール！！！！お願い助けて！！！」

少し大きめの声で、でも普通の人には聞こえにくい声で叫ぶ。

ファナリスのマスルールなら、聞こえてるはずだ。
…………多分。

半分心配しながら、半分祈りながらマスルールが来るのを待つ。

お願い出来るだけ早く来て、じゃないと私そろそろ息苦しい。

そう目を瞑りながら願っていると、物音が聞こえた。

扉からではなく、窓から。

視線をそちらに向けると赤髪の大柄な人物が見えた。

「……」
俺は何をすればいいんですか、と言う風に首を傾げるマスルール。

「ごめん、このアホ国王を引き剥がして欲しい」
「ウッス」

短く返事をすると、マスルールは無表情でシンドバッドの腕を私の背中から剥がしていった。

─10分後─

「ふー、やっと解放されたー。ありがとうねマスルール」
「……ウッス」

私のベットの上には、布団越しに縄で縛られたシンドバッドがすやすやと寝息をたてていた。

なんか気持ち良さそうに寝てる姿見ると無性にイラついたから縛った。

「さて、朝御飯食べに行こうか～」
「ウッス……あの、Aさん、この人は？」

スッとベットの上で縛り付けられているシンドバッドを指差すマスルール。

「え？しばらくそのままかなー？」
ニコリと、多分最高の笑顔でそう答えると、マスルールはそうっすね、と頷いた。

私の部屋のベッドの上で縛り付けられているシンドバッドを、ジャーファルが見付けるのは、また別のお話。

(シンドバッド王！？アンタなにやってるんですか！！！)

(し、知らん！起きたらこうなってた！！)

(あ、ジャーファル、そこの人間のクズそのままにしてて良いよ)

(A！まさか何があったのですか！？)

(それがかくかくしかじかで……)

(最低ですねシンドバッド王！！！)