【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ29)

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129話ページ29

シンドバッドと私は椅子に座り、私の隣にはジャーファルが立ってシンドバッドの話に相づちしていた。

「煌帝国は、バルバッドを支配下には置くが、バルバッドの『共和国』としての自治は認めるそうだ」

「そうですか……。半年前、あの後すぐに煌帝国の大軍隊が現れた時には、あわや侵略戦争かと思われましたがね」

「そうだな……あのときは焦ったが、しかし、煌は始めからバルバッドを壊滅させる気はなかったようだ。目的はあくまでもバルバッド国を傘下におくこと。今思えば『国民ドレイ化計画』なんてものも、反乱を誘発させるための煽りに過ぎなかったのかもな……」

「なるほどねー、全部煌帝国の思い通りになったってことかー」
さっすが、煌帝国。
私達はまんまとはめられちゃったってわけか。

「しかし、手は尽くした。七海の王としてな」

バルバッドの一件の後、シンドバッドは煌の皇帝に会談を持ちかけ、煌帝国帝都へ出向いた。
そこでシンドバッドは皇帝に対して、バルバッド国民をドレイのように虐げることなく共和国としての自治を認めること、バルバッド王族を処刑せず、国外(シンドリア)へ追放することを認めようとしてきた。
『七海連合』の長のシンドバッドはなかなかの権力を持っているらしく、煌帝国はこれを快諾したらしい。

「そっか」
そう言いながら、ホッと胸を撫で下ろす。

「ああ。バルバッド国民の心は、あの一件で強くなったように思う。煌の傘下に入っても、立派に自分達でやっていくだろう」
「シン、長旅でお疲れでしょう。お休みなられますか？」

ジャーファルの気遣いの言葉を、シンドバッドは断った。

「いや、早く彼らに報告してやりたいんだ」

彼ら？

「アラジンとアリババくんにな」

シンドバッドは微笑んだ。