【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ18)

今日:2 hit、昨日:9 hit、合計:355,677 hit

118話ページ18

「Aさん、起きてください」

閉じていた目をうっすら開けると、私の体を揺すってるモルジアナの姿があった。
どうやら朝が来たようだ。

「シンドバッドさんが呼んでますよ」
「……えぇ……シンドバッドが……？」

なんだろ。
あ、昨日ジュダルが暴露したせいでラービタのことについて聞かれるのかも。
面倒だな……。

「うぅ。分かった……おやすみ……」
「え！？Aさん！」

最終的に私はモルジアナに担がれて、シンドバッドのいる部屋に連れていかれた。
椅子に下ろされ、机を挟んで座っているシンドバッドと対面する形になる。

モルジアナは「失礼しました」と言って部屋から出ていった。

モルジアナ……そんな強行手段に入らなくても……。

部屋に居たのはシンドバッドだけ。
少し緊迫したムードが流れており、シンドバッドが口を開いた。

「……単刀直入に言う、Aは煌帝国か、俺達、どっちの味方なんだ？」
「はあ？」
なにそれ。

「ジュダルとも面識があるようだったし、煌帝国の姫君とも親しい関係に見えた。
もし、Aが煌帝国の味方であれば、俺たちは敵同士だ。
……だが、俺は君とは敵対したくない。だから、俺の仲間にならないか」

シンドバッドは私に向けて手を差しのべてくる。
……意味わかんない。

「敵とか味方とか、くだらないこと言ってんじゃないっつーの」

シンドバッドの手を、私は弾いた。
「私は煌帝国の味方でもないし、シンドバッドの味方でもないし、アリババたちの味方でもない」

味方とか敵とか、どうして分けたがるんだろうなぁ。

「私は世界の守り人。この世界が悲劇(バッドエンド)になるのを防ぎに、この世界にやってきた。だから私が戦ってるのは世界で、それ以外は何者でもない」

悪でも、善でも、どちらも私にとっては同じなんだよ。

伝えたいことを伝えたので、椅子から立ち上がる。
よし、部屋に帰って二度寝しようかなー。

「あ」
出口へと向けていた足を、一度止める。

「でも、友達になら、なってあげるよ？」
笑顔で振り向くと、シンドバッドは目を見開き、それから笑った。

「ああ。じゃあ、友達にならないか」
そう言って私の前で先程のように手を出す。

「よろしくね、シンドバッド」
私は迷いなくシンドバッドの手をとり、握手した。

私、シンドリア国王と友達になりました。