【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ15)

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115話ページ15

「非常に衰弱(すいじゃく)しています。とても危険な状況です」
ジャーファルがベッドの上に寝込んでいるアラジンに目を落として話す。

「そんな……。アラジン、一体どうしちまったんだよ！？」
アリババが辛そうに顔を歪める。

「アラジンは、魔力(マゴイ)を使いすぎたんだよ」
私はアラジンの笛をベッドの端に置いて言った。

「『マギ』は確かに周囲の魔力(マゴイ)を無限に使える。ただし、それは体力がある内だ。
アラジンは体力が尽き、ルフたちから魔力(マゴイ)が集められなくなったから、自分の身の内の魔力(マゴイ)をその笛に与え続けていたんだ。

魔力(マゴイ)を与えるのは命を削るということ。
魔力(マゴイ)が尽きれば、『マギ』といえど死んでしまうぞ……」

シンドバッドがそう言ってから、少しの間沈黙が流れる。

「それだけ──」

その沈黙を破ったのは、アリババだった。
「──アラジンにとってウーゴくんは大事だったんだ！こいつにとって、ウーゴくんは、大切な、友達だったんだ！」

「とにかく、アラジンは休ませるんだ。この様子では、数日間は目を覚まさないだろう」

「アラジン」
シンドバッドやモルジアナ、それにアリババ達は部屋から出ていき、残るは私一人だけとなった。

「ウーゴ」
八芒星の消えた笛を触る。
ソロモンの写し身のアラジンの力でも、ウーゴを戻すことは不可能なのか。

スッとアラジンの胸に手を当て、目を瞑る。
……このままでは、ウーゴが運命に抗った意味がない。

「どうかこの子にルフの加護を……『ルフとの絆(ラービタ)』！」
私がそう唱え、目を開けると、私の目の前に一匹の、白い光を放ったルフが現れた。

『やあ、久しぶりに呼んでくれたね』
白い光を放っているルフは私の周りを一回転すると、アラジンの体の上で止まる。

『危険な状態だ。この子に魔力(マゴイ)を吹き込むのかい？』
「うん、お願い」
『分かったよ』

一匹のルフがそう言うと、まわりのルフが様々な色に変化する。
周りのルフは最後に白色になると、勢いよくアラジンの体に飛び込んだ。
アラジンの体はぼんやり光だし、やがて光は消える。

『それじゃあ、またね』
「うん、いつもありがとね」
私が瞬きして目を開くと、ルフはもう居なくなっていた。