【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ10)

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110話ページ10

「『悲哀(ひあい)と隔絶(かくぜつ)の精霊(せいれい)よ。

汝(なんじ)と汝(なんじ)の眷属(けんぞく)に命(めい)ず。

我(わ)が魔力(マゴイ)を糧(かて)として我(わ)が意志(いし)に大(おお)いなる力(ちから)を与(あた)えよ！！

出(い)でよ、ヴィネア！！』」

簪(かんざし)が光り、紅玉の周りに水が現れる。

彼女もまた、立派な『ジンの金属器』使いなのだ。

ウーゴはジャンプして紅玉を掴もうとする。

「熱っ……熱魔法……水の膜がなかったら危なかった……。せっかく集めた私の水が、蒸発しちゃうじゃない！！」
ギラリと怪しく光る八芒星。

「この死に損ないがあああああああ！！！」
紅玉は簪(かんざし)の周りに水を集め、一瞬で大きな剣に変える。

わぁ、紅玉こわ。

紅玉はそのまま飛び───ウーゴの胸を貫いた。

「どうよ！？夏黄文！！」
「流石であります姫君」
軽々と地面に着地した紅玉と、笛の中に入ってしまったウーゴ。

「ところで、ジュダルちゃんの具合はどぉ？」
「応急処置はしておりますが、治すには、きちんとした施設が必要でありますね」
「じゃあ、早く行きましょ。Aちゃん、たくさんお話したかったけどまた今度の機会にねぇ」

笑顔で私に向かって手を振り、絨毯に乗ってそのまま帰ろうとする紅玉。

だが、紅玉の背後から魔力(マゴイ)が降ってきた。
夏黄文がそれに気付き、紅玉を庇う。

紅玉の背後には、魔法のターバンに乗ったアラジンがいた。

アラジンが、紅玉を攻撃したの？

「何、あなた？私たちは、化け物に襲われてた身内を助けただけよ？」

「違う！！ウーゴくんは……みんなを、僕を助けるために戦っただけなんだ！先に手を出してきたのはその人だ！」
アラジンが力強くそう言う。

あ、面倒なことになりそうな予感。

「そう。じゃあ、あなたがあの化け物の主なのね？じゃあ下にいるそいつらも……あの化け物の仲間なのね……？」
ギロリとアラジンを睨む紅玉。

「いかが致しますか姫君」
「片付けるしかないわねぇ。
閻心(えんしん)、閻体(えんたい)、閻技(えんぎ)やっておしまい！！」

紅玉の言葉を合図に、姿形が人間ではない化け物たちが、地面に着地した。