【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ25)

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125話ページ25

黒いジンが居たところを見ると、そこには大泣きしているアリババと、ジンになったせいで息が途絶えた男が見えた。

きっとあの黒い人が黒いジンの正体で、アリババの親友だった人なのだろう。

「皆死んじまった……！まだやりたい事だってあっただろうに……こいつの事だって……俺は、結局救うことが出来なかった……！」
肩を震わせ、アリババは涙を流す。

「救えたかどうかは……彼に聞いてみようか！」
アラジンはそう言って両手を広げる。

「あのね、死んでしまった人は消えてなくなるわけじゃないんだよ！『ソロモンの知恵』！」

ルフが集まり姿を変え、人の姿になる。
アリババの前には、綺麗な女の人と、おじいさんがいた。

「おふくろ……！？親っ……バルバット先王……！？」
どうやら、アリババのお母さんとお父さんらしい。

「彼らは確かに彼らだったルフだけど……今はもう、大きな『流れ』の一部なんだよ」
「ルフ……の『流れ』……？」

アラジンは笑顔で頷いた。
「死んでしまった人たちは、消滅するんじゃない。大いなるルフへ還って行くだけなんだ。それはすべて繋がっていて……世界を包んでいる。だから、人が死んでしまうことは悲しいけれど……永遠のお別れなんかじゃないんだよ」

アリババの肩に手を置くアラジン。

「君のやり方を、生き方を、彼らはいつも見ている。ずっと見守っている。」
「…………！！」
「さあみんな行って！懐かしい大好きな人のところへ！」

その言葉と同時に、人の姿をしたルフたちは色々な人のところへ行く。

皆、笑ったり泣いたりして様々な反応を見せたけど、とても嬉しそうだった。
……みんな、大切な人たちと会えて良いなぁ。
私には……。

「ははっ……」
一瞬とても悲しくなって、私はそれを隠すように笑顔を作った。

『A、君は一人じゃないよ』

風に乗って、そんな声が聞こえてくる。
なんだ、見られてたか。

「……そうだよね」
私にも、大好きな人達がいっぱいいるんだ。

「ごめんね、ありがとう。『ウーゴ』」
私は不格好な笑顔を浮かべて、目から涙を流した。