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羊飼いutと人狼 ページ12

【赤い羊の舞踏会】


とがった耳に、大きな尻尾。
そして、笑った時に見える鋭い牙。

人によく似たそれは、ヒトではない。

人々はそれを"人狼"と呼んだ。

夜な夜な村や街に出ては、人を食べてしまう恐ろしい化け物。

これは、その存在が認知され始めてまだまもない頃のお話────。




小さな村に、一人の羊飼いの少年が住んでいた。
その少年は"嘘つき"で、嘘をついては村人たちを困らせた。

「みんな大変や!森に狼がおってん!」

しかし、次第に村人たちは少年を呆れた目で見るようになって行った。

「逃げろ!狼が来たぞ!」

少年は毎日毎日、飽きもせずに嘘をついて回っていた。

それでも、少年が村人たちから嫌われることはなかった。

何故なら、少年が嘘をつく時には狼は出てこないからだ。

少年のおかげで平和に暮らせることに、村人たちは安堵していたのだ。

↓→←あとがき



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作者名:文字書き20名 x他10人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月4日 20時

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