幼馴染-アプリコット ページ12
【答えはすべて君。】
［ショッピ、星見たい］
［りょ。］
サッと髪に櫛を通しリビングにいるお母さんにショッピと星見てくると伝えて玄関の扉を開けるとすでに彼はそこにいた。
「ほい。」
当たり前のようにヘルメットを手渡され当たり前のように装着する。
ショッピのバイクの後ろに乗って街を走っているとやがて建物は少なくなり、ついに山道へと差し掛かった頃ショッピが口を開いた。
「で、今日はどうしたん？」
『…クソ上司。』
「あぁ、あいつか。また理不尽言われたん？」
『うん。』
「気にせんどけばいいのに。」
『だって悔しい。』
「あんた昔から負けず嫌いやもんなぁ。」
ショッピと私は幼馴染だ。
家が隣で小さい頃から家族ぐるみで仲良くしてきた。
学生の頃、就活が上手く行かず悩んでた時に気分転換になればとショッピが山に連れて行ってくれてから、私が落ち込んだら山へ行って星なり夜景なりを見るのが恒例行事となっていた。
それ以上返事をせずぼーっと木々を眺める。
木と木の隙間からたまに見える景色を見るにもうすぐ頂上に着くだろう。
キッっと音を立ててバイクが止まりショッピの背中にぶつかる。
「お、今日貸切っすね。」
『あら、珍しいね。』
申し訳程度に作られた小さな展望スペースに二人で並ぶ。
『うーん、やっぱりいい眺めですなぁ。』
「まだ23時やから結構灯りついてんな。」
『そうだね。あ、あのビル灯りがついてる。社畜かなぁ。』
「23時はそこまで社畜じゃないっしょ。」
『いや、社畜だね。私は23時まで働くなんて勘弁。』
ふっと鼻で笑われる。
「そういやそんな薄着で寒くないん？」
『実は寒い。夜の山舐めてたね。』
「自分から誘った癖にアホやな。」
フワッとショッピが来ていたジャケットが肩にかかる。
『ショッピは寒くないの？』
「誰かさんと違って下 厚着してきたから平気やで。」
『そか。』
それならばとショッピのだいぶ大きいジャケットに袖を通す。
「何匂い嗅いでんの。」
『いやショッピの匂い落ち着くなぁって。』
「は？なんそれ。」
ショッピの匂いというかほとんど彼のタバコの匂いなんだけど落ち着くものは落ち着くのだ。
『いいじゃん減るもんじゃなし。』
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瀉天 - 先輩後輩ってオレンジ？ (2020年6月21日 13時) (
レス) id: 55ffdc0025 (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - めちゃめちゃ良かったです！沢山の作者さん、主催者さん、ありがとうございました！ (2020年5月18日 8時) (レス) id: 94cbebf757 (このIDを非表示/違反報告)
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