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青年は少女に依存していた。
「A！」
ずっと探していた少女。
「どっか行こうや！」
やっと再会できた少女。
「これ取りたいんか？」
青年の努力のおかげか、少女は次第に青年に振り向いていった。
しかし、そんな幸せな日々が長く続くことはなかった。
少女の様子が少しずつおかしくなっていったのだ。
まるで、他人を見ているように。
まるで、自分を避けるかのように。
それに続くように少女が倒れ、病院へ運ばれてしまったのだ。
青年はそれを聞きすぐに駆け付けた。
「A！大丈夫か！」
「脱水症状らしいわ。ただAちゃんの家族の話やと脱水症状で倒れたら幻覚見たりしばらく起きんかったりするんやと」
「そうなんか・・・」
少女が倒れたのは、脱水症状が原因だった。
脱水症状という言葉に青年はピクリと反応する。
「まぁ俺は帰るわ。お前一人の方がええやろ」
「おう！ありがとうな大先生！」
それから何時間程だろうか。
青年が少し部屋を空けてから戻ろうとすると、病室から声が聞こえてきた。
『シッ・・・の・・・と・・・じゃな・・・』
どこか覚えのあるいつかの記憶に、青年は少し口角をあげた。
「A！起きたんか！」
駆け込むと、少女が起き上がっていた。
急いで少女の側へと行き、肩を掴む青年。
目が合ったのを確認し、青年は少女を抱きしめた。
少女は無言のまま、体を強ばらせた。
"・・・ごめんね、大好きだったよ"
その言葉と同時に、ゆっくりと視界が暗く、黒くなっていく。
感じる体温が、どんどん低くなっていく。
最後に見えた少女の表情は、とても幸せそうなものだった。
"ごめんね、大好きだったよ"
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