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どうしてこうなったのだろうか。
「ほらAちゃん。まだ飲めるでしょ？」
「お断りします。」
私の嫌いなものベスト10に入るほど嫌いな飲み会。お酒は弱くないが絡まれるのが嫌だ。こういう時に限って太陽の化身とも言われるコネシマはお酒飲まないし。まあ、こいつが酔って絡んでくるよりはマシか。
「A」
「急にどうした？」
「煙草吸いにいく。」
「…おう。いってらっしゃい。」
「着いてこい。」
「え、やだ。」
「いいから！」
無理やり手を引っ張られ外に出た。外はひんやりとしていて気持ちいい。コネシマはポケットから煙草を取り出し吸い始めた。煙草の匂いは大嫌いじゃないが好きにはなれない。匂いに顔を歪めるがそんなことこいつが気にするはずがない。
「どうしたの？」
「何がや？」
「用があるから呼んだんじゃないの？」
「いや無いけど。」
「ならなんで。」
「困ってそうやったから。」
「はあ。」
思わず間抜けな声が出る。こいつ急に少女漫画にありそうなことしだしたぞ。
「ありがとう。助かった。」
「おう。」
助かったのは事実なのでお礼を言うと気を良くしたのか頭を煙草を持っていない手で雑に撫でられた。
「何すんのさ。」
「お礼できるいい子は誉めてやらないといけないと思ってな。」
「ぐしゃぐしゃなるからやめろ。」
「照れなくてもええんやで？」
「照れてない。」
本当に最悪だ。人の気持ちも知らないで。中途半端なんて最悪じゃないか。
「先戻るから。」
「おう。」
さすがに冷えてきたので中に入る。
「お帰り。」
「ただいま柚。」
柚は私の友人で別の部署にいる。
「大分酔ってるの？」
「いや？どうして？」
「顔赤いからてっきり。」
気付かなかった。赤くなった顔を隠すように下を向けば体調悪いのかと心配して柚が近寄ってくる。
ああ確かに優しさは大切なのかもしれない。そう思いながら恋心をお酒のせいにするためにグラスを持った。
北風は太陽の優しさに堕ちてしまったようだ。
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