樋口一葉ノ想イ・弍 ページ15
カルマ・トランジットの拠点についた。
どうやら
体が震える。怖い。
でも、私がやらなければ芥川先輩が・・・そう思うと不思議と覚悟が決まった。
手始めに手榴弾を投げ入れて、敵の注意をひく。その隙を狙って、銃を激しく撃った。
しかし、流石は武装集団というべきか、彼らは直ぐに対抗するように、撃ち合いが始まった。
経験の差。多勢に無勢。
要因は幾つかあるが、怪我に加え、唯一の武器である銃を弾かれてしまい、私はいよいよ死を覚悟した。
「知らねぇ顔は全員殺せ!」
覚悟を決めた私に聞こえたのは聞き馴染みのある声、そして見覚えのある顔ぶれ。
「黒蜥蜴・・・!どうして」
「上司の危機とあっては動かぬ訳にも往くまい」
◈
助けに来てくれた黒蜥蜴のお掛けで、芥川先輩を無事救出することに成功した。それだけでなく、先輩との距離も縮まったような気がする。それを証拠に今までなら絶対に誰の手も借りようとしなかった彼が自分の肩を借りて、歩いている。私は嬉しさから思わず、頬が緩む。
「にしても、樋口よくここが分かったな。」
「それは、」
芥川先輩に例の
「姐さん後ろっ!」
「え?」
私は直ぐには判断できなかった。今、自分は殺されようとしているんだ。奴らに生き残りがいたなんて!
まるで世界がスローモーションに感じた瞬間、その生き残りは音もなく倒れた。
「え?・・・え?」
頭から血を流して死んでいる。私は何が起きたのか理解できなかった。黒蜥蜴がやったのかと思ったが、彼らも私同様何が起きたのか分からないような顔をしている。
唯一何か知ってそうに見えたのは、広津さんと芥川先輩だけ。しかし、その広津さんは何処か呆れたような顔をしているし、芥川先輩に至っては苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「あの、芥川先輩・・・今のは」
「気にするな、何でもない」
何があったのか理由を聞こうとしたが、芥川先輩はその一点張りで答えようとはしなかった。
正直、気にはなったが、芥川先輩の表情を見て、これ以上聞いてはいけないと思い、質問するのをやめた。
暫くすると、二台の車がやって来た。
28人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星を見守る砂岩(プロフ) - エリスちゃん笑笑笑笑笑笑笑首領とエリスちゃんの絡み大好きです (2018年11月30日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
いろはす13(プロフ) - コメントありがとうございました。ここ最近多忙で、全くサイトを開くことができませんでしたが、これからボチボチ更新再開しようと思ってます。 (2018年11月14日 23時) (レス) id: 973a4edb64 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 描写が細かくてとても好きです。月並みな褒め文句しか出ませんが、主人公が突飛過ぎないところがリアルで面白かったです。これからも頑張ってください。 (2018年9月23日 18時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす13(プロフ) - 久々に見たら嬉しいコメントが来てて、ビックリしました。ありがとございます。これからも不定期ですが、頑張っていきたいです! (2018年7月20日 18時) (レス) id: 430dba622a (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく楽しいです!更新応援しています・・・ (2018年7月12日 21時) (レス) id: fbc86b6b3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いろはす13 | 作成日時:2018年5月29日 13時