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不二家の次女の話 ページ10

「おはよう!A」

「…………おはよ、裕太」


私の朝は、裕太の目覚ましから始まる。
朝が苦手な私は毎日双子の弟の裕太に起こして貰っている。

「……………今日は皆休みなんだから、もっと寝かせてくれてもいいじゃん……」

「兄貴が起こせ起こせってうるさいんだよ」

「……………そっか」

そんな話をしながら、二人でリビングに向かう

「あ、おはようA。朝ご飯出来てるからね」

「わー、ありがとお姉ちゃん。おはよう」

テーブルにはお姉ちゃんが作ってくれたおしゃれな朝食。

「おはようA、今日はどこか出かけようか」

「えっ!じゃあ俺も行く!!」

「私行きたくない。頂きまーす」

お兄ちゃんの誘いを断り、朝食を食べ始める。そしてその姿を当然のようにガン見するお兄ちゃん。

「今日もAは可愛いね。出かけたくないなら勉強教えようか?最近理科の成績が下がってきたって言ってただろう?」

「別にいい。てか理科教えるって言ってもお兄ちゃんだって苦手でしょ。二年の範囲はわかるかもしれないけど」

「よく知ってるね、もしかして覚えててくれたの?嬉しいな」

「苦手科目覚えられてて喜ぶ人初めて見た」


お兄ちゃんは重度のシスコンだ。ブラコンでもあるけどとにかく私への愛が重い気がする。
同じ青学に通っているけど、この前桃ちゃんと少し話していただけでもとんできて桃ちゃんにすごい怒ってたし。ほんとやめろ。

「ゆーうーたー!一緒に勉強しよ!理科教えて−!」

「わかった。じゃあこっちも現代文教えてくんね?」

「いいよー」

「僕もいた方がいいんじゃない?」

「大丈夫。わかんないとこはお姉ちゃんに教えて貰うから」

「えー」

「ごちそうさまでしたー」と言い、食べ終えた食器をお姉ちゃんに洗って貰う。
裕太と部屋に戻り、早速勉強を始める。

「ねね、裕太。これは?」

「ん?あー、これは…」

こんな感じでお互い教え合って勉強をしていたとき、

「ねぇねぇ、やっぱり僕もいた方がいいんじゃない?」


「うわっ!びっくりした………」

「大丈夫だよ兄貴、Aと教え合いながらしてるから今のところわかんないとこはないし」

裕太がそう言っても聞かずに私の隣に座ってくるお兄ちゃん。


「………裕太、少しAと近すぎじゃないかな」

「別に普通だろ。兄貴こそ、くっつきすぎじゃないか?」

「…………………暑い」



どうやらシスコンなのは、お兄ちゃんだけじゃなかったようで

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作者名:かもめ | 作成日時:2018年8月6日 22時

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