海堂が言うことを聞く話 ページ7
「はああぁ!!?マムシが先に突っかかってきたんだろ!?」
「ああぁ!!?元の原因はテメェだろ……!!」
…………また始まった。二人とももう少し大人になれないのか。
確かにこの件の原因は桃城くんだ。しかしその挑発に乗ってしまった薫も薫。
薫が桃城くんに殴りかかろうとしたギリギリで私は止めた
「薫、ストップ」
「………A……っ」
「こんな野蛮なことしちゃ駄目だよ」
「……………」
喧嘩っ早い所もあるけど普通にいい子なんだよなぁ
「桃城くんも。薫が頭に血が上りやすいの、よく知ってるでしょ?」
「…………っでも、コイツが」
「んだと桃城ォ!!!」
「薫」
「…………クソッ……」
ほんっと二人とも、小学生じゃないんだから………
「おお……さすが海堂の幼馴染みだな!」
「Aの言うことなら何でも聞くよね、海堂くん」
全く………毎回喧嘩を止めなきゃならないこっちの身にもなって欲しい
「ほら、薫、桃城くん。そろそろお昼休みも終わるし、この話も終わりにしよう?」
そう言うと桃城くんは「悪かったな」と一言残し、自分の教室に戻って行った。
私も席に戻ろうとする。と
「あっそうだ!!今度の土曜、立海と練習試合あんだぜ!!観に来てくれよ!!」
「さっさと教室戻れ桃城ォ!!!」
「ああもう、薫……」
さっきまで反省してたからか少しだけ暗かったのに、いつの間にかドアから顔を出して私に呼びかけていた。いや、桃城くん元気になるの早すぎるでしょ……
「うん、もう授業始まっちゃうし、遅れたら悪いからまた後で話そう」
「ああ!じゃあまた後でな!」
実際桃城くんの教室は隣だからそこまで急ぐ必要は無いんだけどね
「海堂くんほんとAのこと大好きだねー」
「確か幼稚園の時から好きなんでしょ?一途だねぇ………可愛いわ〜」
「うーん………?」
前の席と隣の席の友達がこっそり話しかけてくる。私のことが好きなのかはよくわからないけど可愛いのは納得できるので、曖昧な返事になってしまった。
「な!な!A、俺の試合しっかり観とけよ!!」
「桃城テメェAの名前気安く呼んでんじゃねぇ……!!」
「大丈夫大丈夫、二人ともちゃんと観てるから」
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作者名:かもめ | 作成日時:2018年8月6日 22時