【テニプリ】短編集の王子様 (ページ6)

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ブン太が恋をする話ページ6

あれから俺はAと仲良くなり、仁王と三人で行動することが多くなった

「へえ、まーくんは丸井くんのこと『ブンちゃん』って呼ぶんだね－！なんかいいな、すっごい仲良しって感じ！」

「なんだったら、お前もそう呼んでもいいぜ？」

「わーい！ブンちゃん！ブンちゃん！！」

「Aちゃんがあだ名で呼んでくれるのは俺の特権じゃったのに………」

あだ名を呼ぶだけでも楽しそうにするAはとても可愛らしい。ていうか可愛い。

そんな他愛のない話をしながら廊下を歩いていると、幸村くんとばったり会った

「あ、幸村くん」

「やあ、丸井に仁王に……その子は？」

「あっ！！私、まーくんと、ぶ、ブンちゃんとお友達なんです！！ほら！！友達！！！」

そう言いながらAは俺と仁王と手を繋ぎその手を上に上げる
あまりにもどや顔で言うものだから俺も仁王も幸村くんも笑いを堪えるのに必死だった

「そっ…………そっか……っふふっ………なるほど、君は友達なんだね……うん、確かにとっても仲がいいね」

「ハイ！！！」

「なんだかすごく楽しそうだ。俺も仲間に入れて欲しいな」

「どっっ！！どうぞどうぞ！！！」

相変わらず落ち着きのないAは、俺と仁王の手を一度離し、幸村くんの手を取る。すると幸村くんの右手に俺の左手を繋がせて、左手には仁王の右手を繋がせる。最後にAが再度俺と仁王の手を繋ぎ、「これで仲良しです！！！」なんて言う。

廊下のど真ん中に手を繋いで円になっている俺達は、沢山の生徒から注目を浴びた。なんだこれ。

かなり恥ずかしかったものの、Aが今までに見たことのない最高級の天使スマイルでまわりに花を飛ばすもんだからだれも「恥ずかしいからやめよう」なんて言える雰囲気では無かった。仁王も幸村くんも悶えてた。

しばらくその状態だったけど、丁度真田がその謎の光景を見て「交通の妨げになっているぞ！」と叱り、なんとかその場から逃れることができた。ありがと真田。

その時に真田が来るや否や「お友達になりませんか！！？なりましょう！！！」と真っ先に声を掛けていた。「初対面で友達など、たっ、たるんどる！」と顔を真っ赤にして言う真田を見て俺も仁王も幸村くんもつい吹いてしまった。