リョーマをすーはーする話 ページ13
私の人生で最大の至福の時間。それがこの時間。
今私はリョーマくんをすーはーしている。
「すうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ………っ、はあぁぁ……」
「吸った時間と吐いた時間が比例してないっスよ、A先輩」
いやいや、だって折角リョーマくんの匂いを嗅いだというのに、吐くのは勿体ないじゃん?まあ実際少し吐いてるけど。
「はあぁぁぁぁぁ………今日も至福の時間をありがとうリョーマくん………しゅき……」
「ハイハイそりゃどうも。てかそのセリフ聞き飽きたんスけど」
えっ………そんな聞き飽きるほど言ってたの……?キモいな私……
なんて軽く自虐していると、廊下から聞き慣れた声が近づいてくる。
「おチビーーー!そろそろ部活始まるよーーん!!」
「ちょ、菊丸先輩重っ……」
廊下から走って来た同じクラスの菊丸くんは、リョーマくんに飛びつく。そういえば菊丸くんもテニス部だったっけか。いいなぁ………リョーマくんも私に飛びついてくれたりしないかな………妄想だけで飯3杯はいける……………ぐへへ
「って、菊丸くん何してるの!!私今リョーマくんをすーはーしてる最中なんだよ!」
「あ………A……相変わらず頭大丈夫……?」
「リョーマくん限定!!」
あの菊丸くんにこんな不安そうな、同情するような表情させれる私ってどれほど重症なのだろう。愛とは恐ろしい。
「でもごめん菊丸くん、あともう少し待って!
すうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ…………はあぁ……
よし、おっけ!」
10秒位吸い、0.7秒位吐いて満足した私はもう行っていいよ!と言わんばかりに親指を立て、グッドサインを出す。
「さっきより長くなってるじゃないスか……あ、じゃあ部活行って来るっス」
「わーい、頑張ってーー!」
そう言って二人(と言いつつ八割方リョーマくん)にぶんぶん手を振る。
テニスコートに行ったのを確認したら、リョーマくんのプレーを少しだけ拝見し、今日もリョーマくんの可愛さを身に染みこませながら家に帰るのだった。
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作者名:かもめ | 作成日時:2018年8月6日 22時