向日を慰める話 ページ1
「……………うん、それで?」
「あいつ、また俺のこと身長低いっつって…」
只今絶賛がっくん慰め中。この話は私が生きている間、一体何回聞くことになるのだろうか
がっくんが、慰めて欲しい、と目で訴えてくる時は必ずと言っていいほど身長が原因なのだ
内容は毎回変わらず後輩の日吉くんが身長のことをディスってくる、という私にとってはとてつもなくどうでもいい話である。
しかしマネージャー兼がっくんの彼女である私が放っておくわけにもいかず、こうして毎回ほぼ同じような内容の話を聞いては慰める、というのを繰り返している
「大丈夫だよがっくん、高等部に入ったらきっとぐんぐん伸びちゃうよ」
「なんかそのセリフ、前にも聞いた気がする………。」
あれ、この台詞はもう使っちゃってたかな。
私は言った台詞なんて一々覚えてないよがっくん
「がっくん。そんなことで毎回落ち込んでちゃレギュラー落ちが目に見えてくるよ。
ほらほら、早くコートに戻って練習しないと滝くんが下剋上してきちゃうんじゃない?」
「………なんかむかつくから練習してくる」
「そのいきだよ、がっくん」
よしよし、今日も上手くいった
日吉くんもそろそろディスるのやめてくれないと、ネタが無くなってきちゃうよ
「Aーーーーー!!今日のムーンサルト、一段と高く決まった!!!」
「おお、そっかそっか。さすががっくん」
「……A、また俺の話、聞いてくれるか?」
「………もちろんだよ、がっくん」
そう言うとがっくんは、ぱあぁぁっと効果音のつきそうな位の満面の笑みで私を見てくれる
そんな笑顔されたら、断りたくても断れない
………………んじゃなくて、その笑顔が見たいから、私は君の話を聞いちゃうんだろうね
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読んで頂き、ありがとうございました。
最後がなんか、こっちの片思いみたいな
終わり方な感じなっちゃったんですけど普通に仲良いです。
がっくんめっちゃ笑顔見せてくれます。
書いてる間すごい恥ずかしかったです。
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作者名:かもめ | 作成日時:2018年8月6日 22時