孤独に溺れた朱猫族 (ページ7)

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5昔の知り合いページ7

私は必死に駐屯地から出て今もなお走っている。

外は雨が降り私が足を下ろす度バシャバシャと
泥が跳ねて私の足を濡らしていた。
私にはいく宛が無い。
知り合いも居ない

でも走って逃げなければ行けなかった。
自分の背中に誰かがいるわけでは無い
自分を追いかけて来ている訳では無いが、走らなければ行けなかったのだ。

道行く人が私を見ては
ヒソヒソと話をして鬱陶しかった。

？「あーーーー！！」

突然そんな声が聞こえた。
私は咄嗟にそちらに目を向けてしまった

？「ジャンプ買うのまた忘れた！」

？「またですか？銀さん」

？「良い機会アルヨ銀ちゃん。
銀ちゃんはもう子供じゃ無いアルヨ
だから、この機会に少し押さえて見るネ」

？「バカヤロー男は何歳になっても何時でも少年なんだよ」

そんな声が聞こえた。
ふと見るとそこには
銀髪に木刀を差した大人と

眼鏡にいかにも真面目そうな子供

そして赤いチャイナ服を身に付けてる女の子がいた。

私は一瞬纏まりせいがない集団だと思ったが
よく銀髪の大人を見ると
それは銀時だった。
五年前の攘夷戦争が終わってすぐ私は姿を消したので、約五年後の再開である。

『ぎんとッッ！！』

私は直ぐ声をかけようとしたが直ぐ留まった。

銀時は名前を言われたと思って此方を見ていた

ダメだ！呼んではダメだ！銀時は今新しい仲間が出来て楽しそうに会話をしている！
楽しそうに笑いあってる！
それを邪魔してはダメだ！

私はそう心の中で唱えて我慢していた。
銀時は此方を不思議そうに見ていた。

？「銀さん、知り合いですか？」

？「いや、記憶には無い・・・と思う」

？「どっちなんですか」

？「でも、あの子銀ちゃんの名前言てたヨ？
銀ちゃんが忘れてるだけじゃ無いアルカ？」

銀時「嫌・・・でもなぁ」

そう言葉を濁して銀時は私に言った

銀時「俺の知り合い何かは置いといて、オメェー何のようだ」

私は少し心が痛むが

『いえ、人違いでした。』

銀時「！！お前、まさか」

私がそう答えて立ち去ろうとすると
パシリと腕を掴まれた

・・・今日はよく腕を掴まれる日だなとふと思った。