第153話 ページ24
おばさんの所へ向かう為、再びイナリ君に背を向けようとした時だった。突然そんな突拍子もないことを言い出したイナリ君。
『は!?いきなり何言ってんの!?そんなのダメに決まってんでしょ!危険すぎる!!』
「僕はもう……」
『えっ?』
一緒に付いてくるだなんて認められるわけがなく、勿論反対する私。しかしイナリ君は真っ直ぐに私の目を見つめて、続けざまにこう言った。
「僕はもう!泣き虫ヤローなんかにはならない!!父ちゃんみたいに大切な人を…母ちゃんを守れるような強い男になってやるんだッ!!」
『…!!イナリ君…』
大きな声でそう言いきったイナリ君の目は、よく見ると涙を擦った後があって真っ赤になっていたけれど、瞳だけは決して揺らがなかった。
…そうか…この子は今、強くなろうと強い決意を抱いて、変わろうとしているのか……この子はもう、昨日までのイナリ君なんかじゃない。
『…分かった、一緒に行こう。二人でおばさんを助けにいこう!』
「…!うん!!」
私はイナリ君を連れて、急いでおばさんの救出へと向かったのだった。
『…!いた!』
イナリ君と目撃情報と影分身の記憶を頼りに暫く進んでいると、案外早くもロン毛とおばさんを見つけることができた。
…さて、問題はここからどうするかだな…相手が一人だけならまだしも、なんせ今はおばさんが人質にとられてる…ここはやっぱり隙を付いて……
「待てェ!!」
『!?ちょっ!?イナリ君待って!!』
…なーんて考えてた時期が私にもありましたよ、ええ。
なんてふざけてる場合じゃないですよねー!!あーもうっ!考え無しに真正面からいっちゃ駄目に決まってんでしょ!?ナルトかお前は!!
慌ててイナリ君の後を追う。それすなわち、私も敵の目の前にやすやすと姿を表してしまったということ。あーあ、もう作戦なんてもんじゃないなこれ…
「!イナリ!!」
「あぁ?なっ…!?てめぇはさっきの…まだ生きていやがったのか!!」
『さっきの変態野郎なら、もうとっくに伸びちゃってるよ。そんなことより、さっさとおばさんを返して欲しいんだけど!』
「ハッ!んなこと言われて、誰が素直に返すかってんだ!!」
…ま、そりゃそうだよね。だったら、仕方がない…前に出ちゃった以上、ここは力ずくにでも……
「うおおおおお!!」
『!!イナリ君!?』
「イナリ!!」
…そう思っていたのも束の間、突然イナリ君がロン毛に向かって走り出した。
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アイ(プロフ) - 作品を読んで感動しました!作品を参考してよろしいですか?? (2020年11月20日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
色葉(プロフ) - トッシーさん» あっあっああああありがとうございますすすすす!!!滅茶苦茶嬉しいです!頑張ります!! (2017年11月20日 21時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
トッシー - さっさっさっささささ最高です!超応援してます!頑張ってください! (2017年11月20日 19時) (レス) id: 7be352b008 (このIDを非表示/違反報告)
色葉(プロフ) - nasoraさん» どわーっ!!?めちゃくちゃうれしいです!!本当にありがとうございますー!!(((o(*゚∀゚*)o))) (2017年11月12日 8時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
nasora - いつも楽しく見てます!とても面白いです!がんばってください!私もうこの話のファンになっちゃいましたw! (2017年11月11日 20時) (レス) id: e0ca1ca558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2017年10月8日 13時