第499話 ページ10
「寒っ...!」
今日任されていた一通りの作業が終わると、私はそそくさと家に帰ろうとする。外に出た途端、冷たい北風が頬を掠めた。
カカシさんは今日も火影室に泊まるらしい.....やっぱり何か差し入れ買って届けてから帰るか。
そう思いフラフラといい感じのお店を渡り歩く。
やけに賑やかに装飾された街を歩きながら良さげなものを探していると、あちこちのお店でとあるポスターが貼られているのを見かけた。
.....そっか、もうすぐ輪廻祭か.....。
輪廻祭。私の世界で言うクリスマスみたいなものだ。
輪廻祭かー.....確かナルトとヒナタが結婚するきっかけになった映画の舞台も輪廻祭だったよね。その時のナルト達は確か18歳.....ってことはあと二年か。まだまだだなー.....。
そんなことを思いながら適当に夜食や暖かい飲み物を複数買う。ついでにシカマル達の分も買っておこう。
カゴに良さげなものを適当に詰め、レジへと進む。すると目の前にいたとあるカップルの会話が不意に聞こえてきた。
「ねえ!輪廻祭のプレゼント、何がいい?」
「んーそうだなぁ...なんでも嬉しいけど...なにか身につけられるものだと嬉しいかな」
「わかった!じゃあ楽しみにしててね!」
そう言って幸せそに店を出て行く二人。その背中を見て、私は小さく息を吐いた。
.....そうだよねぇー...輪廻祭ってやっぱ恋人達にとっては重大イベントだよねえ。ヒナタもマフラー編んでたし.....。
.....プレゼントか。
ふとあの人の顔が頭をよぎる。
.....もしあの人になにかあげるとしたら、何なら喜んでくれるんだろう.....。
そこまで想像してハッと気がつく。
いやいやいや、そもそも私今まで一度もあの人にそんなプレゼントとかしたことなかったじゃん!なんで今更プレゼントなんてそんな.....恋人じゃあるまいし.....。
「.....」
目の前には「恋人にオススメ!」というポップの飾られたペアのマグカップ。他にも沢山の商品がずらりと並んでいた。
.....アホくさ。
バカバカしい、そもそも私にこういうのは似合わない。さっさといるものだけ買って戻ろう。
そう決めた私は、会計を済ませるとさっさと店を出ることにした。
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千 - 続き嬉しいです!カカシ先生尊い…。 (2020年5月26日 8時) (レス) id: 1380412b8e (このIDを非表示/違反報告)
透羽-とわ-(プロフ) - ここまでイッキ読みしてしまいました〜!カカシ先生が尊い!!これからも更新頑張ってください!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 71f7d12171 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - BORUTOのコクリと夢主が付き合ってる設定の小説も書いて欲しいです (2020年5月24日 20時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続編おめでとうございます!!続きがとても気になります!!!カカシ先生大好きなのでこのお話大好きです。更新頑張ってください (2020年5月24日 1時) (レス) id: 373120d77d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2020年5月24日 0時