第509話 ページ20
「キャッ!」
ドンッと勢いに任せて、たまたま見つけた背中へ抱きつく。
「ちょっと...何!?」
当然やられた本人は何が起きたのか理解ができず、慌てて私を引き剥がそうとする。
「誰...って...もしかしてA?」
そういうと私をベリッと自身のからだから引き剥がし、改めて面と向かい合う。
そして私の今の表情を見て、酷く驚いた顔をした。
「落ち着いた...?」
鼻をすすりながら静かに頷く私にため息を吐くサクラ。あの後私はサクラに連れられ近くの公園のベンチにいた。
「全くもう...びっくりしたわよ。突然ぶつかってきたかと思いきやあんた泣いてるんだもん.....」
「.....ごめん.....」
「.....で?どうしたのよ」
「.....実は.....」
「カカシ先生と喧嘩した!?」
「うん.....」
私は途切れ途切れになりながらも、先程あった出来事をサクラに伝えた。するとサクラはありえないといった様子で大声を荒らげる。そりゃそうだろう。
「なんでまたそんな事になってんのよ.....二人がそんな大喧嘩することなんて今までなかったじゃない」
「分かんない.....なんか知らないけど、気がついたらカカシさんすごい怒ってて.....そっから.....」
「.......」
困った様子で黙り込むサクラ。その姿を見て、なんだか申し訳なくなってしまった。
「どうしよう...まだ火影の仕事だって残ってるのに.....こんなんじゃ顔見れない.....」
「A.....」
自分でも訳が分からず嫌になっていた。でもだからってなんであんなにあの人が怒っていたのか分からない。こんな状況で仕事なんか出来るわけなかった。
「.....ねえA」
「...?」
「さっきの話...なんでカカシ先生がそんなにムキになったのかは分からないけど.....カカシ先生はあんたに"なんで怒ってるのか言え"って言ったのよね?」
「うん」
「怒ってたの?」
「.....怒ってたって言うか、別にカカシさんに怒ってたわけじゃないの...私が勝手にイライラしてて...」
「だったらそれをちゃんと言えば良かったじゃない!一体何にイライラしてたのよ...」
「それは.....」
一番聞かれたくなかった理由を聞かれて、思わず黙り込む。しかしサクラは力強く発言を促した。
「...A」
「.....えっと...ほんとに自分でもよく分からないんだけど.....
文房具屋の前でね、カカシさんのことを話してる女の人達が居たの」
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千 - 続き嬉しいです!カカシ先生尊い…。 (2020年5月26日 8時) (レス) id: 1380412b8e (このIDを非表示/違反報告)
透羽-とわ-(プロフ) - ここまでイッキ読みしてしまいました〜!カカシ先生が尊い!!これからも更新頑張ってください!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 71f7d12171 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - BORUTOのコクリと夢主が付き合ってる設定の小説も書いて欲しいです (2020年5月24日 20時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続編おめでとうございます!!続きがとても気になります!!!カカシ先生大好きなのでこのお話大好きです。更新頑張ってください (2020年5月24日 1時) (レス) id: 373120d77d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2020年5月24日 0時