第508話 ページ19
.....え...何この雰囲気.....私何かしたっけ.....。
先程とは打って変わって何故か私たちの間に流れる気まずい空気。そのせいかさっきの青年と別れて以来、お互い口を開けずにいた。
「.......」
「.......!」
暫くして、不意に目の前を歩いていたカカシさんが足を止めた。びっくりして私も足を止める。
「.....カカシさん?」
「.....お前、さっきの.....」
「え?」
「この間気をつけろって言ったばかりでしょーよ.....嫌な事はちゃんと嫌って言いなさいよ」
何かと思えば、そう言って深くため息を吐いたカカシさん。.....?よく分からないけど、もしかしてそれでさっきから怒ってるの?
「...あ、いや.....すみません.....でも別に嫌ってわけじゃ.....」
「じゃあもしさっきの奴が、実は前みたいな奴だったらどうするつもりだったんだ?」
「.....それは...カカシさんもすぐそばにいたし.....」
「オレがいるもいないも関係ないだろ。お前はもう少し自己開示しなさいよね.....」
「.....えっと.....はい...ごめんなさい.....」
「.....さっきも」
「え?」
「さっきの文房具屋の時だって.....お前やっぱり怒ってただろ」
「...別に怒ってなんか」
「じゃあなんで作り笑いなんかしたんだ?言ってみろ」
「.....それは.....」
「.....やっぱり言わないじゃないのよ.....お前っていつもそうだよね...」
「.....あの、さっきから急になんなんですか?カカシさんちょっと変ですよ」
「あ?何が」
「いや何がって.....分かるでしょ」
「.......」
「.....さっきの女性に関してですけど、ほんとに怒ってないですから。勝手に決めつけないでくださいよ」
「.....あっそ。じゃあそうやっていつまでも笑顔繕ってれば?」
「は?だからなんで勝手にそうやって決め付けるんですか?大体今はなんでそっちが怒ってるかって話ししてるですけど」
「元はと言えばそっちが変な態度とるからだろ」
「話すり替えないで貰えます?今私の話してないから」
「別にすり替えてないし、オレは本当の事知りたいだけなんだけど」
「だから怒ってないってば...」
「怒ってるじゃん」
「怒ってるのはそっちでしょ!?」
「.....あっそ...どうせお前はそうやって誰にでも都合のいいようにヘラヘラするんでしょ.....」
「..........なにそれ.....そんなこと言われたら流石に腹立つわ」
私は最後にそう吐き捨てると、勢いに任せてその場を走り去った。
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千 - 続き嬉しいです!カカシ先生尊い…。 (2020年5月26日 8時) (レス) id: 1380412b8e (このIDを非表示/違反報告)
透羽-とわ-(プロフ) - ここまでイッキ読みしてしまいました〜!カカシ先生が尊い!!これからも更新頑張ってください!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 71f7d12171 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - BORUTOのコクリと夢主が付き合ってる設定の小説も書いて欲しいです (2020年5月24日 20時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続編おめでとうございます!!続きがとても気になります!!!カカシ先生大好きなのでこのお話大好きです。更新頑張ってください (2020年5月24日 1時) (レス) id: 373120d77d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2020年5月24日 0時