第507話 ページ18
その後、私とカカシさんは軽く売店なんかに寄り道してみんなへの差し入れを買った。その間は特に何も無く、私も落ち着きを取り戻していつも通り接していた.....はずだったんだけど。
「あの!」
「えっ」
本日二度目の「あのっ」という声を聞く。しかしどうやらその声は今度は私に向けられているようだった。
「夜月Aさんですよね!」
「...そうですけど.....」
「やっぱり!あの、僕忍なんですけど...前の戦争で初めてAさんをお見かけして.....」
「は、はあ.....」
「それで僕、Aさんの一生懸命戦う姿に感動しちゃって...!ファンって言うか...尊敬してます!!」
「えっ!?あ...ありがとう...?」
かと思いきや突然名前も知らない青年にそんな事を言われ、思いもよらない内容に照れる私は自然と顔が赤くなる。
...まさかこの私がそんな風に見られているなんて.....嬉しいような恥ずかしいような.....これはもしやモテ期ってやつか?
そんなバカげた事を考えていると再び目の前の少年が口を開いた。
「あのっ...それでもし良かったら...握手して貰えませんか!?」
「あっ...握手!?」
「はいっ!!」
次々と青年の口から飛び出るトンデモ発言に心臓が追いつかない。
ええっ...まさか握手まで求められるなんて.....芸能人じゃあるまいし。
今までの人生で握手を求められるなんてことはなかった為、こういう場合どうすればいいのか分かる訳もなく.....ひとまず私は手を差し出した。
「ええと...これでいいのかな.....?」
「〜っ!はい!ありがとうございます!!」
あまり触りなれていない男性の手をそっと握ると、相手から力強く握手を返された。しばらくしてその手はパッと話され、そして.....
「では僕はこれで!お時間取らせてしまってすみませんでした!」
「ああ、いえ...じゃあ.....」
「はい!失礼します!」
まるで嵐のようにその場を去っていった。
な...なんだったんだあの子.....。
突然の出来事にポカンと棒立ちを続けていると、不意に頭に軽い痛みが走った。
「いたっ」
「何ぼーっとしてんの、行くぞ」
「あ...はい!すみません...」
買った飲み物で軽く頭を叩かれて目を覚ました私は、早速歩き始めているカカシさんの後を慌てて追った。
「.......」
「.......」
...しかしそれからと言うものの、静かに二人の足音だけがその場に響く。自分の少し前を若干早歩きで歩くカカシさんをチラッと見上げた。
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千 - 続き嬉しいです!カカシ先生尊い…。 (2020年5月26日 8時) (レス) id: 1380412b8e (このIDを非表示/違反報告)
透羽-とわ-(プロフ) - ここまでイッキ読みしてしまいました〜!カカシ先生が尊い!!これからも更新頑張ってください!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 71f7d12171 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - BORUTOのコクリと夢主が付き合ってる設定の小説も書いて欲しいです (2020年5月24日 20時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続編おめでとうございます!!続きがとても気になります!!!カカシ先生大好きなのでこのお話大好きです。更新頑張ってください (2020年5月24日 1時) (レス) id: 373120d77d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2020年5月24日 0時