【斉木楠雄のΨ難】僕の幼馴染はマトモ…なはずだ。 (ページ47)

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46話ページ47

斉木楠雄side

《莉子｢大丈夫？Aちゃん…｣》
『…正直…もう学校行きたくない…考えただけでしんどい…』
《莉子｢Aちゃんがはーちゃんだってバラしたの、六神通で合ってるわね？｣》
『え…まぁ…うん……会ったことないのに何故か…』
《莉子｢あのガキ…私の可愛い娘をよくも泣かせてくれたわね…｣》
『母さん？』

莉子さんも怒ると怖いな。

《莉子｢…よく聞いて、A。｣》
『…ん？』
《莉子｢もうはーちゃんがAとバレたことは仕方ないわ。正直、もうどうにもできない。｣》
『……うん。』
《莉子｢でも、卒業まで残り少ないわ。しばらく私たちも海外に戻る予定もないの。だからもう少しだけ我慢してくれる？こっちからこんなお願いしてごめんね。｣》
『…大丈夫、大丈夫だよ。どうせいつかバレるとは思ってたから…』

……………

『でもどうしよう…楠雄くんまでバレたら…』

！！

『私がはーちゃんだってバレて絶対目立つのに、楠雄くんまでバレちゃったら…私……』

君は何でいつもそうなんだ！
僕のことばかり考えて！
今は自分の心配をするところだろ！

『私が…絶対に守るって決めたのに…目立たないように、楠雄くんが超能力者ってバレないようにって……』

……何で君は…

『……楠雄くんに、嫌われたくない…っ…』

僕はドアを開けた。
するとAさんは驚きながら溢れていた涙を手で拭った。
僕はその手を掴んだ。

《莉子｢…問題ないわ、A。｣》
『……え…？』
《莉子｢楠雄くん、Aを任せたわよ。｣》
『え？』

ああ。任せてくれ。
莉子さんが電話を切ったのがわかり、僕はAさんを抱きしめた。

『…く、すおくん…？』
楠雄《僕が君を嫌うことは絶対にない。》
『っ…あ、き、聞こえ、てた…？』
楠雄《君は僕より自分の心配してくれ。》
『で、も…』
楠雄《でもじゃない。それに、今回の件は全部僕のせいだ。》
『違う…！』
楠雄《違くない。僕がテレパシーを使っていれば避けられた事だ。僕が悪い。》
『違うってば…！』
楠雄《…守ってあげれなくてごめん。》
『……っ！！』

Aさんが僕の裾を握りしめる。

『くすおくんはわたしがまもってあげるからね！』

確かに小さい頃、Aさんは僕を絶対に守ると言っていた。
だけど、僕も…

楠雄《ぼくもまもってあげる。》

僕もそう決めていたんだ。
なのに、守れてない。
ああ、こんな顔させたくなかった。