【斉木楠雄のΨ難】僕の幼馴染はマトモ…なはずだ。 (ページ4)

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3話ページ4

斉木楠雄side

ある日、Aさんが衝撃な発言をした。

『あのっ…私、一人暮らしします…！』

この家を出ると言い出した。

久留美｢えぇ！？どうして！？女の子1人じゃ危ないわよ！？｣

母さんの言う通りだ。
Aさんは昔から危なっかしいからせめて僕の目の届く範囲にいて欲しいのだが。

國春｢ど、どうして急に…？｣

何故Aさんがこの家を出ようとしているのか、僕は薄々気づいていた。

『…皆にご迷惑かけちゃうから…それに、楠雄くん目立たせたくないし…』
國春｢楠雄？目立たせたくない？｣
『私の友達に、私と楠雄くんが同じ家に入ってくのを見られたらしくて…あ！その子にはちゃんと口止めはしたよ！あの子信用出来る子で口堅いから…！！』

わかった、わかったから。

『…また、違う人に見られたら絶対に口止めする前に言いふらされちゃうと思うから…そしたら絶対目立っちゃう…私が目立つ分には大丈夫なんですけど、楠雄くんが目立っちゃうと思ってぇ…私はぁ…』
久留美｢はーちゃん…｣
『私、楠雄くんが目立つのだけは避けたいんです…！楠雄くんの幼馴染として、私は楠雄くんから…斉木家から離れて一人暮らしをしたいです…！』

やれやれ。
まったく、君という人は……

『だから、その…』
楠雄《余計なお世話だ。僕の為にそこまでする必要は無い。》
『でも、バレたら楠雄くん目立っちゃう…』
楠雄《Aさんがこの家から居なくなるか、僕が多少目立つかなら、僕が多少目立つ方が良い。》
『えぇ？でもぉ…』
楠雄《もし家を出る理由が自立したいという理由なら止めはしなかったが、僕の為だと言う理由なら全力で止める。出てった後の両親の対応が面倒臭い。》
國春｢楠雄！｣
久留美｢くーちゃん！｣

僕がここまで言っているんだ。
出ていくな。

『…楠雄くんは、私の幼馴染だって目立っても良いの…？』
楠雄《目立つのは嫌いだが、Aさんが居なくなるより何倍も良い。》
『……んん……』
楠雄《それとも、Aさんは僕が幼馴染って事がバレるのが嫌なのか？それともそんなにこの家を出たいのか？》
『そんなことない！』
楠雄《なら良いじゃないか。変なこと考えてないでいつもみたいにヘラヘラしてろ。》
『変なことって！私は楠雄くんを思って…！』

まったく…困った幼馴染だ。
僕はAさんを無視して自室に戻った。

『…楠雄くん、ありがと。』

それはこっちのセリフだ。
僕の為にそこまで考えてくれてありがとな。