第118話 ページ35
*
私の予想しなかったであろう表情とその言葉に酷く顔を歪めたサクラ。
きっと色々と訳を聞きたいのだろうに…それでもやっぱり優しいサクラは、そんな私に気を使ってか敢えてなにも聞いてはこなかった。
「……仕方ないわね…いいわよ、ほら」
サクラが体ごと此方を向きそう言うと、共に左手が何者かによってキュッと握られた。何者かだなんて分かりきっているが、その予想以上の温かさと心地のよさに激しく心が刺激されたのがわかった。
『…へへ…ありがとう』
そう言ってサクラに微笑むと、サクラは困った様にフッと優しく笑ってくれた。そのせいで私の涙腺は更に弛む。そのなんともいえない感情に胸が締め付けられた。
苦しいけれど、それでいて温かい…私は馬鹿だから、この感情を言葉にして表すことなんてことは多分一生出来ないんだろうな。
…そういえば前の世界で、親友のあいつもよく私と手繋いでくれたなぁ…細くて小さいくせに、何故か安心できてしまうあの温かい手…まるでこのサクラの手とそっくりだ。
それに寝るときに誰かが隣にいるのって凄く久しぶりだ…これもこんなに、温かいものだったっけ……？
布団に顔を埋めて目を閉じると、ふとそんなことを思った。すると他にもいくつか前の世界での幼い頃の事をぼんやりと思い出した。
昔お母さんと一緒に布団に入ってお気に入りの絵本を読んでもらった時の事とか、他にもそういった誰かと一緒に触れあっていた時の様々な記憶…
以前までは前の世界の記憶を思い出せばいつも寂しくなったり悲しくなるのに、今回は何故かそんな気持ちにはならなかった。むしろ今はそれが懐かし風に思えて、そしてそれもまた温かい……
なんでだろう…？不思議だなぁ……
そんなことを思っていると、その心地よさのせいかうとうとと眠気が襲ってきた。
勿論私は、その眠気に抵抗する気なんて微塵も無かったため、あっさりとそのやけに心地良い眠気に負けてしまった。
そしてそのまま、いつものカカシさんほ温もりとはまた違った彼女の温もりを感じながら、不思議な感情と共にその日は自然と眠りについたのだった。
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色葉(プロフ) - 星月夜*ミルトニア[3DS]さん» 本当ですか！？ありがとうございます！！更新頑張ります♪ (2017年9月24日 0時) (
レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
星月夜*ミルトニア[3DS] - イラストのクオリティヤバイ………また見てみたいです！更新頑張ってください！ (2017年9月23日 22時) (レス) id: 4d66220430 (このIDを非表示/違反報告)
色葉 - 輝夜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！楽しんで頂けているようで何よりです♪頑張ります！ (2017年9月21日 6時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 面白くていつも更新ワクワクしながら待ってます！これからも頑張ってください！！ (2017年9月20日 18時) (レス) id: 88c1b11d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：色葉 | 作成日時：2017年9月13日 6時
