第112話 ページ29
一通り修行についての説明を終えたカカシさん。初めは反対していたサクラもどうやら納得したようだ。
「その間に修行ってわけだな!面白くなって来たってばよ!」
「面白くなんかないよ…」
「「!?」」
ナルトの意気揚々とした台詞に反して、突然聞こえてきたそのような幼い声。
何事かと思い全員が声のする方へと振り向いた。するとそこには、小さな男の子が……
…あ、確かこの子って……
「お前は誰だー!!」
「おおイナリ!どこへ行ってたんじゃ!!」
「お帰り…じいちゃん…」
…そうだそうだ思い出した、タズナさんのお孫さんのイナリ君だ!確かこの子も色々と辛い過去があったハズ……
そう思うと、再不斬の時と同じようにまた少し胸が痛んだ。その一方でイナリ君はナルトの質問など完全に無視してタズナさんの元へと寄っていく。
するとイナリ君のそのような態度に、流石に叱責を下すイナリ君のお母さん。
「母ちゃん…こいつら死ぬよ」
「なんだとォー!!このガキってばよォー!!」
…かと思いきやいきなり死の宣告をされた。な、なんだこの子…イナリ君ってこんな子だったっけか?
戸惑う私を他所にイナリ君とナルトの言い合いは続く。
「ヒーローなんてバッカみたい!!そんなのいるわけないじゃん!!」
「!!なっなにをー!!」
「やめなさいってば!」
すると等々堪忍袋の緒が切れたナルト。イナリ君へ向かおうとするが、サクラがそれを止めてくれた。
「死にたくないなら帰った方がいいよ…」
「『………』」
その様子を黙って見る事しかできなかったサスケと私。イナリ君はそう言い捨てると、自分の部屋に戻ると言ってこの部屋を出ていってしまった。
「すまんのう…」
静かになった部屋にタズナさんの謝罪の声が響く。しかしそれでも納得いかないと言う表情のナルト。
「「『………』」」
そんな何ともいえない空気に沈黙が続く。
き、気まずい……
…かと思いきやそのような空気などお構いなしにいきなりスッと立ち上がったナルト。
…ナルト?一体どうしたのだろう……
「?ナルト?どうしたのよ」
「…やっぱオレアイツんとこに行ってくるってばよ!!」
そう言うなりズカズカと部屋を出ていこうとするナルト。それを再びサクラが止めようとするが、その言葉など完全に無視したナルトもまた、先程のイナリ君と同じようにパタンッと部屋を出ていってしまったのだった。
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色葉(プロフ) - 星月夜*ミルトニア[3DS]さん» 本当ですか!?ありがとうございます!!更新頑張ります♪ (2017年9月24日 0時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
星月夜*ミルトニア[3DS] - イラストのクオリティヤバイ………また見てみたいです!更新頑張ってください! (2017年9月23日 22時) (レス) id: 4d66220430 (このIDを非表示/違反報告)
色葉 - 輝夜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けているようで何よりです♪頑張ります! (2017年9月21日 6時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 面白くていつも更新ワクワクしながら待ってます!これからも頑張ってください!! (2017年9月20日 18時) (レス) id: 88c1b11d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2017年9月13日 6時