有栖院御国と排除型 ページ2
「A、」
「嫌よ」
平和なはずの平日昼すぎ。
顔立ちの整った青年と少女は真正面から対話を楽しんでいた。……もっとも、それは少女だけのようだが。
理由は少女――加藤Aの手にしている人形である。こころなしか
青年、有栖院御国は笑顔を浮かべつつも冷や汗が止まらない。
Aは一目見るだけで健全な男子高校生を堕落させる笑顔を顔に張り付け、少女の人形を優しくそっと抱きしめる。
「ね、御国。私もアベルちゃんに手を上げたくないわ。他の人形ちゃん達もそうよ。でもね、バニラちゃんを壊してもマリアちゃんを壊しても貴方は私だけを見続けようとしなかった。アベルちゃんが常に貴方の中にいたの。貴方に愛されている自信はあるわ。貴方意外と分かりやすいもの」
そこまで一気に言い切り、一度目の前の紅茶を優雅な動作で飲むA。しかし伏せられたその瞳は怒りと歪な愛で黒く濡れていた。
「でもね、御国。そんな生っっっ温いものじゃもう嫌。私ももう１８よ？貴方じゃない殿方に取られることも考えておいてくださる？たとえば、貴方の大嫌いな猟犬さん、とかかしらね」
猟犬、の名が出てきた瞬間、今まで黙っていた御国がガタン、と椅子から立ち上がる。
Aはそのしぐさを見て頬を微かに紅潮させた。
「……その名前を、出すな」
低く、怒気を孕んだその声。顎を引いて頷くAはそれでも笑顔で御国とは対照的な余裕を感じさせている。
「お前は、Aは」
「私は、ずっとずっと貴方のモノ。だから証が必要でしょう？」
そう告げて御国の手を取る妖艶な少女。その腕は人間である御国でも簡単に折れそうなくらい細く柔らかいものであるにもかかわらず、圧倒され縛り付けられるナニカがあった。
「はぁ」
小さくため息をつき懐から小さな箱を取り出した御国。箱の蓋をあけ、
「絶対幸せにしてやるから、……俺と結婚して下さい」
「うふふ。ええ、喜んで」
驚く様子も見せずに終始笑顔でいた少女はちらり、とアベルを見やった。
祝福する微笑みのアベルは何も語らない。
「私を大切にしてね。他はどうでもよくしてあげる」
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時の破壊者 - 何故私が自分でヤンデレだって自覚してるって思ってますか？ それは、友達にヤンデレだって言われて気付きました(*^_^*)(それまで自覚ありませんでした♪( ´▽｀)) (2017年5月19日 1時) (
レス) id: ed6862cba5 (このIDを非表示/違反報告)
時の破壊者 - 私……ヤンデレなんで、気持ちがすごく分かります〜〜♪( ´▽｀) (2017年5月19日 1時) (レス) id: ed6862cba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星売り屋 | 作成日時：2017年5月12日 20時
