*10*放課後までに心の準備を ページ11
次の日、光が心配だなと思いながら学校に行ったけど、光はいつも通り、
「おはよう」
と淡々と言ってきた。昨日大丈夫だったかとか聞いてみたけど、「昨日……あぁ、別に大丈夫」なんて、さらっと返されてしまった。
絶対なんかしちゃったと思ったんだけどな……本当にただの用事だったんだろうか……そうは見えなかったけど。
今日も女子と仲良さげに喋る光を見ながら、溜息をついた。俺は気にしすぎなのかも……
色々考えながら荷物をしまって席に着こうとすると、いきなりクラスの女子がデカい声で喋り出した。あれは演劇部の三上だ。勉強、運動なんでもできるしっかり者の美人……
「ねぇ!私たち演劇なのよ!練習した方がいいわ!学年で一番良い物にしなきゃ!」
げぇ……やっぱりそういうのするよね……演技とかしたことないしちょっと憂鬱だな……
「三上さん……そうだよね!希望の出し物は勝ち取れなかったけど頑張んなきゃ……」
ジャンケンに負けて凄く落ち込んでいた、実行委員の女子もめちゃくちゃ感動してる……
女子たちが楽しそうなのは凄く良いけど演技は嫌だな……けど、好感度を上げるため……モテる為、モテる為……
「ふーん、じゃあ放課後にでも練習する?裏方の人は練習してる間に衣装とか作ればいいし……ね?」
やる気のある二人を見て、ふふふと笑いながら御影が提案する。その瞬間、若干嫌そうな顔をしていた男子達も、「い、いいね」「賛成!」と声を上げた。
御影、恐るべし……ていうか、練習って今日の放課後?俺、今日演技すんの?こ、心の準備が……いやでもモテる為なら……
19人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彩鳥ねお | 作成日時:2020年3月18日 14時