*15*ついにきた問題のシーン ページ16
「……これが姫の眠る城……この中に美しい姫が眠っているのか」
こ……これはどうしたことだろう?まるで私を導くように茨が引いて行く……」
姫が眠りについてから数百年後、茨の奥に美しい姫が眠っているという"いばら姫"の伝説が生まれ、それを知った王子が美しい姫の眠る国を、茨に歓迎されながら訪れるシーン。
光からの応援もあり、なんとかそれなりの演技が出来ている。特に文句も言われてない!
けど、問題は次のシーンだった。そう、例の……
「おぉ……この方が伝説のいばら姫……なんと美しい……」
この先の台本には、"一目で心奪われ体を屈めるとつい眠る姫にキス"と書いてある。
だから、台詞を言ってから、本当に(振りだけど)するのか?と、考えた。
……多分答えはイエス。
周りがじっと見つめているのがわかるし、カットも入らないから……多分ここで自分が止めたら大ブーイングだろう……(特に三上にはかなり文句を言われると思う。美人の怒った顔……は好きだけどリアルでは見たくない)
仕方ないので、横になった光の元で体を屈め、顔を近づける。
……
……ん、あれ、ヤッベ、なんかドキドキしてきた……どうしよう……
……ハハ、この距離は振りにすら入らないよな……
う、うわぁ、どうしよう……光ってこんな可愛かった?
……クッソ、今まで付き合ってきた彼女にだってしてたじゃないか、キスくらい……てかそれ以上だって……
し、しかも今回は振りなんだ、男だしさ……
……ひ、光が、ファーストキスかもしれないから?気を使ってるのか?俺は……
……んなわけあるか!!光は男だから!そんなロマンチックなこと気にするわけない!!てか振りだし!!
クソ……クソ……
……てか光、顔赤くね……?
19人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彩鳥ねお | 作成日時:2020年3月18日 14時