*13*可愛い姫と怖すぎる魔女 ページ14
光は、小さく息を吸うと台詞を読み始めた。
「こんにちは、おばあさん。私はオーロラ。何をしているの?」
……可愛い。
「何って、糸を紡いでいるのさ」
「糸を紡ぐ?……面白そうね」
可愛い……
いや、いつも本当に男なのか疑ってしまうほど可愛かったけど……口調が女の子だからだろうか、いつも以上に可愛い気がする……
「あいつ本当に男なのか?」
隣で見ていた奴がさらにその隣の友達に話しかける。
あぁ……光が男なのか疑いだす奴が現れてしまった……うん、気持ちはめちゃくちゃわかるよ……
しかも割と演技うまい……そりゃ演劇部と比べたらアレだけど……全然棒読みじゃないし!
その後も光と御影は少しのやり取りをして、ついにオーロラが倒れるシーンまできた。
台本の、"オーロラの指に老婆が差し出した紡錘が刺さる"のとこで光は「キャッ」っと悲鳴を上げた。
あぁ、悲鳴もちゃんと女子みたいで可愛いなぁ、なんて思っていたら……
次の瞬間、御影の恐ろしい笑い声でそんなほわほわした気持ちは無くなってしまった。
「……アッハハハハハハ!!アハハハハハ!!呪いどおり王女が死んだよっ!?」
い、いや、こえぇよ……
台本通り、だけどさ……怖いわ!!
ったく……どんだけ心込めるんだよ……ほら、心込めすぎてみんなちょっと引いてるし……光怯えてるし……
隅で衣装の準備をしていた人を含め、クラスの大半がどんよりしていると……
*14*全力本気なクラスメイト→←*12*予想できない演技力
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作者名:彩鳥ねお | 作成日時:2020年3月18日 14時