無くした記憶 ページ6
私は1年前今まであった記憶を無くした
交通事故に合った後遺症からだった
無くしたといっても、理不尽なもので楽しかった事
や幸せだったことだけを忘れてしまった
事故にあった時お医者さんが言っていて専門用語
ばかりでよく分からなかったが
何となく、事故にあった時、楽しいことや
幸せだった事を記憶しておく部分を傷つけて
しまったらしい。と言うことはわかった
そもそも人の脳に楽しかった出来事を記憶する部分と
悲しかった出来事を記憶する部分が違うこと自体
驚きだった
そうお医者さんが言った時もう私の記憶は無かった
そこまで重度のものでは無かったので
人の名前や、物の名前は覚えていたが
私はとてつもなく苦しかった
今までの楽しかったことをもう思い出として
語り合うことがもう私には出来ないのだから
楽しかった出来事に存在していた人物すら私はもう
覚えていない
そう思ったら自然と涙が溢れ出てきた
そのことは私の記憶の中にある
私の涙でベッドシーツも床もびしょ濡れに
なっていた
あの涙は結局誰が拭いてくれたのかは全く覚えていない
別に記憶の問題ではなくて泣きすぎて疲れて何も
考えていなかったから
こんなことになるなら全ての記憶を忘れて
しまいたかった
私にはどうしても忘れたい記憶がある
だから記憶が無くなってしまったと言われた時
少し嬉しい自分もいた
あんな辛い過去とっくに忘れてしまいたかった
なのに、どんなに忘れたと思っても頭に
蘇って来てしまう
それも私の悲しさを倍増させた
忘れたかったことは忘れられなくて忘れたくないことは忘れてしまう
都合のいいこの頭が嫌だった
医者はその事実を"幸い"と言う言葉を使って終わらせようとした
その時の私は起きた事が辛すぎて幸いだろうが何だろうが、なんて言葉を使ったかなんて正直どうでもよかった
でも、今思えば全く幸いなんかじゃない
幸い=幸せ だ
幸せ？
こんな風になった頭が？
楽しい出来事を忘れてしまったことが？
辛い記憶だけ残ることが？
これの何処が幸せに見えるのだろう
こんなにも苦しいんでいる私に幸せなんて言葉を
投げかける医者が今となっては憎たらしい
私の幸せはこんなものじゃない
もっと沢山の人と触れ合って、支え合って
好きな人も出来て、愛し合えて、
それが私の幸せの定義だ
こんなバカ医者に私の幸せの定義を決めて欲しくなんて無かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
irodori33(プロフ) - ユキ☆★♪さん» ありがとう！めっちゃ嬉しい一言です!! (2019年7月29日 19時) (
レス) id: 953f065768 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ☆★♪(プロフ) - irodori33さん» めっちゃ面白かったです〜野坂くんに惚れる〜← (2019年7月29日 15時) (レス) id: 6d71bdc2df (このIDを非表示/違反報告)
irodori33(プロフ) - ユキ☆★♪さん» あ！一緒の部活です！お気に入り登録ありがとうございます！ (2019年7月29日 10時) (レス) id: 953f065768 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ☆★♪(プロフ) - やっほー！あなたと部活が一緒の私……のはずです← 間違ってたらごめんなさい〜 (2019年7月27日 12時) (レス) id: 6d71bdc2df (このIDを非表示/違反報告)
irodori33(プロフ) - イナイレ大好き人間さん» ありがとうございます！イナイレ大好き人間さんの小説も読ませて頂いていますがとても面白くて大好きです！これからも応援よろしくお願いします笑 (2019年7月23日 18時) (レス) id: 953f065768 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彩り野菜 | 作成日時：2019年7月6日 19時
