《陸》 ページ8
てか、夜中に山を登り降りするのは鬼畜だぁと思いながらも、鍛えてくれと頼み込んだのは私だからなぁと自己解決した。
山の中を早歩きで歩く。
はぁっ...はあっ...
なにこれ....まだ、頂上にも着いてないのに息が吸えない...。酸素が薄いのか...?
苦しい...。一旦立ち止まって、深呼吸しよう。
スゥー...ハァー...
よし、落ち着いた。この調子だと、夜明けまで間に合わない!少し、急ごう。
...
やっと、頂上についた。が、帰りは走らないと間に合わない。行けるか...??
とてつもない不安が身体を支配する。
いや、やるんだ。私はやれるんだ。彩祈さんの期待を裏切る訳にもいかない。
死にかけでも、彩祈さんの元へ戻ろう。
私は、頂上から麓へ駆け出す。
はあっ...はあっ...
(この山の空気薄いこと忘れてたー!)
そう、私は思い返し少し速さを緩める。
ビュンッッ
『痛っ』
...なんだ??頭に何か当たった。足元に落ちたそれを見る。
...石?ここの山のは石が飛んでくるのか。私はあまり気に留めず、先へ進んだ。
タッタッタッ...
勢いよく、山を駆け下りる。もう、足が疲れて感覚はないけれど。
『うわぁぁ!!』
縄に引っかかった。見ていなかったから分からなかった。木の根元に張られている。
...さっきから薄々気づいていたけれど、この山、罠が仕掛けてある...?
縄の少し前は少し周りと色が違う地面があって、なんか怖いから避けた。多分、落とし穴だったのだろう。
そう考えていると、上から網が降ってきた
...降ってきた??
『うわぁぁぁぁ』
...少し心が折れかけている。夜明けに間に合うかな...
やるんだ...A!私はできる!
そう、自分に言い聞かせるほかなにもなかった。
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作者名:はもち x他1人 | 作成日時:2019年12月20日 20時