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《拾捌》 ページ20

錆兎がいなくなった後、炭治郎の傍にいる真菰の元へと向かった。
気絶している炭治郎を見る。よく見ると美少年過ぎやしませんかね。その顔欲しいわ。



と、思っていると炭治郎の目が開いた。

『お、大丈夫?』

真「大丈夫?」


炭治郎が真菰と私を見たあと、勢いよくがばと起きた。

炭「さっきの見たか?凄い一撃だった。無駄な動きが少しもない。本当に綺麗だった!!」

炭治郎が大きな声で熱弁している。私はあまりの声量に若干引くが、真菰は真顔で聞いている。尊敬。



炭「あんなふうになりたい俺も。なれるかな?あんなふうに......」

真「きっとなれるよ。私が見てあげるもの。」

真菰が笑顔で問う。私も真菰に見てもらってるから一緒に見てもらえるのかな。

炭「君は誰だろう。」


そっか。炭治郎は真菰を知らないのか。そうして、真菰は自己紹介をし、あの少年は"錆兎"だと教えていた。

炭「Aが言っていた女の子って真菰のことだったんだな!そうか、真菰と一緒に鍛練しようか。」

『うん!そうしよう。』





そうして、私たちは真菰に刀の振り方を見てもらっている。

特に炭治郎はいっぱい指摘を受けている。無駄な動きだったり、癖がついてるところを直している。
まって、私全くもって指摘もらってない。ちょっと寂しいわ。



ちょっと気が抜けて、空を仰ぐともう漆黒に染まっていた。




ーーまずい。




不安がよぎる。彩祈さんにしばかれることや、何か嫌な予感がする。



『あっ、あの。私、もう帰らないと流石にまずいかも。』


炭「そうか!もうちょっと一緒に鍛練したかったが、仕方ないよな。じゃあ、気をつけて!」

真「気をつけて。」

『炭治郎!次会えるの、最終選別になると思うけど、頑張ってね!真菰!色々と教えてくれてありがとうね!じゃ、さよなら!』








早口でそう言い、炭治郎たちに背を向けた。
霞んで見える月が、不安を煽る。




ーー急がなくちゃ。




全集中の呼吸を使い、足を速める。
これだけじゃ、間に合わない。




ーーすぅぅぅうう




足に力を溜め込み、跳ぶ。木に登って跳んだ方が速い。
とん、とんと木を跳び移る。




もうすぐ麓。
地面に軽やかに着地する。前に、着地した時に挫いたことがあるから、今回は成功だ。





麓から、屋敷の方へと向かう。
嫌な予感。それが何かは分からない。だが、何かしら身に危険が及ぶことは明確に分かることだった。



不安で吐きそうになりながらも、先を急いだ。

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作者名:はもち x他1人 | 作成日時:2019年12月20日 20時

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