《拾漆》 ページ19
？｢男なら、男に生まれたなら、進む以外の道などない！！｣
茂みからそっと見つめる。見るからに、炭治郎がボロボロだ。大丈夫かな。
？｢かかって来い!!お前の力を、見せてみろ!!｣
炭｢あぁあああ!!｣
あっ、、危ないと叫ぼうとしたとき、
真｢大丈夫。あれでいいの。｣
真菰が背後におり、そう呟いた。
真菰の言うことを信じ、炭治郎の方を向く。
ーーガン
うわぁあ。思いっきり顎下いってるな。気絶しただけで済んだようだ。
そうすると、真菰が狐の面の少年のほうへ歩く。
『？』
？｢後は任せるぞ｣
真｢うん｣
？｢......ところで、後ろのは誰だ？｣
......ん？私？私の事言ってるのかしら。
真｢あぁ。Aね。Aは今、私がみているの。錆兎、Aもみてくれる？｣
そう言い、真菰は茂みの中にいる私を手招いた。
錆｢お前がAか。俺は錆兎。早速だが、手合わせを願う。｣
『はぅぇっっ？？』
いきなり過ぎてとても変な声を出してしまった。
錆｢では、始めるぞ。｣
その声と共に、私の身体は引き締められる。心を落ち着け、木刀を構える。
相手をしっかりと鋭い眼差しで見て、動くのを待つ。
ーーズサ
錆兎の足が少し動いたのを見計らって、私は錆兎へと向かった。私の脚と刀は吸い付くように、錆兎へ向かう。だが、錆兎もそれを防御し、弾き飛ばす。
お互い、強者。手抜きはいけない。
二人の間に流れる空気が痺れる。
再度構え直し、錆兎へ向かう。次こそは錆兎へ刀が届きそうだ。
ーー斬れる
そう実感したとき、錆兎の刃が私の刀に当たった。その反動で、互いの刀が折れた。
.........折れてしまった。木刀だが。
『......。』
錆｢......。｣
二人の間に沈黙が流れる。
錆｢お前......。Aの太刀打ちは素晴らしかった。全ての動きが精錬されている。全集中の呼吸も使えているし、文句のつけようがないな。｣
『こちらこそ。全ての攻撃を防がれた。隙のない防御。素晴らしかったよ。』
互いに賞賛し合う。そう、褒め合ううちに、かなり時間が過ぎていった。
辺りはもう、薄紫色。炭治郎は今、真菰が傍にいる。
錆｢そろそろ、帰ったほうがいいんじゃないか？｣
『ううん、いや、炭治郎と鍛練するって約束したからまだ帰らないんだ。』
錆｢.........そうか。今度、また手合わせ願う。またな。｣
ちょっと、不貞腐れた表情を見せ、錆兎は山の中へと消える。
錆兎が可愛いかったのは秘密ね。
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作者名：はもち x他1人 | 作成日時：2019年12月20日 20時
